パパ日記

コーヒーの酸味-5 ケニア

今朝のコーヒー
ケニア ティリク シティ フレンチ
14-15のすばらしいケニアです。

 

 

ケニアは、ミディアムからフレンチまで素晴らしい多様な香味を生み出します。
このミディアムはレモンのような酸がベースですが、この豆の実力からみればミディアムではロースト途上という印象をぬぐいきれません。
今少ししっかりしたコクや奥行きのある複雑な香味が欲しくなります。
大粒の割に力が強い豆で、1度目のハゼをきちんと終わらせた以降のローストがふさわしいと感じます。ハイローストくらいになるとスト柑橘のきれいな香味になると推測します。

 

 

 

今回販売する、シティローストは、かすかな柑橘の酸に加えチェリーのような甘い酸が加わりますが、ローストの日数経過で香味が変化します。
これはケニアの特徴で、サンプルのカッピングでも24時間後と48時間後でさまざまな表情をみせます。優れたケニアはそれだけ複雑な香味のコーヒーといえます。

 

 

 

フレンチになると濃厚で奥行きがある味わいの中に黒系の果実であるブラックチェリー、乾燥プルーンなどのニュアンスの風味が顔を出します。
複雑で抽出のたびに印象が変わりますので、しばらく飲んでみます。

 

 

ケニアの香味は多様で、世界中のスペシャルティコーヒーのトレーダーやロースターが欲しがります。
しかし、優れたケニアの生産量は少なく、価格も高いため世界を見渡しても買える会社は限られます。
毎年激しい争奪となりますが、堀口珈琲では01-02クロップから過去15年間優れたケニアコーヒーを追いかけ購入し続けています。

 

 

ケニアコーヒーの酸と香味の表現、これらはケニアフレーバーとして、テースティング会ではある程度共通言語になっています。

きれい、さわやか、心地よい
明るい酸  華やかな酸  果実のような酸
レモン(強い) オレンジ(甘い) グレープフルーツ(苦味を伴う) 完熟ミカン
チェリー、プラムなどの赤い果実
ブラックベリー、黒ブドウなどの黒い果実
パッションフルーツ、マンゴーなどの熱帯果実
乾燥プルーン、干しブドウなどの乾燥した果実
その他アンズ、トマトなど。

 

 

 

ケニアにはさまざまな香味のニュアンスがあり、どのような香味のタイプのケニアコーヒーであるかを知ることができると、ケニアコーヒーの香味の全体像を把握できます。
ある程度産地も特定できるようになります。

 

 

2000年前半は、黒系の果実の香味のものが多く流通していましたが、2000年後半以降のセカンドウインド(国のオークションを通さなくともよい自由化)が軌道に乗り始めてからは、地域特性のある様々なケニアの香味を体験できるようになり、今日に至っています。

 

 

香味のデパートみたいなコーヒーだと思います。
こんなコーヒーは20年前には存在しませんでしたので、感慨深いものがあります。