パパ日記

ティピカの基本香味-2 さまざまな…

カリブ海のティピカの代わりとなったのがジャマイカから苗木が送られたPNG(パプアニューギニア)のコーヒーでした。
1990年後半から2000年前半くらいまでの優れたティピカはPNGのシグリ農園の豆で、柔らかな酸にかすかな青草の香りがバランスよく調和した香味でした。
グル―グリーンの長形のきれいな豆でしたが、残念ながら今はその面影はやや減少しています。

 

 

 

今一つティピカの香味の指標となるものにハワイコナがあり、他のティピカに比べボディがあり、明確な酸とのバランスが良いコーヒーです。
現在はベリーボーラーの被害にありよい香味を体験することが難しい状態にあるのが残念です。
米国産ですので土地、水、人件費などコストが高く高い価格となりますが、ブルマンに比べればその原因は明確です。

 

 

 

こうしてみると、よいティピカの香味というのは再現が困難な状態にあり、的確なテースティングがなされていないと誤った情報が流布してしまうことになります。
20年くらい前にティピカの香味の違いを「珈琲と文化」に書いた記憶がありますので、どんなことを書いていたのか確認してみます。

 

 

 

このような状態を憂い、2000年以降積極的にティピカにかかわったのは、この品種の基本的香味がわからなくなってしまうことを危惧したからにほかなりません。
東チモールに入ったものそのような理由ですし、コロンビアでティピカを探したのもそのような理由によります。

 

 

 

東チモールのティピカも、PWJ(ピース・ウインズ・ジャパン/日本のNGO)と10年の歳月をかけ品質の向上を図ってきた甲斐があり、クリーンで心地よい香味のものも体験できるようになりました。

コロンビアでも、品質のばらつきに苦労しつつも10年以上ティピカを使用してきました。
カリブ海気候の影響を受けたティピカは草の香りがやや強く、中部に向かうほど柔らかな酸とボディのバランスはよくなります。

 

 

 

テースティングの観点から言えば、この香味を基本軸としてみることが重要であり、ティピカの様々な香味、そのやさしい酸とボディのマトリックスを作っておくことが重要です。
ここを理解して初めて他の品種の香味と「何が異なるのか」を理解することができるというのが堀口理論です。

 

 

 

したがって、25年間「コーヒーの香味とは」を求めてきたベースには、以上のような考え方があるのだと理解していただければ幸いです。
さて、このような観点らパナマのティピカを見てみましょう。

続く