パパ日記

スペシャルティコーヒーとマーケットシェア-8

コーヒーにはさまざまなグレードのコーヒーがあり、日本では様々なニーズによりさまざまな用途で使用されています。缶コーヒーやインスタントコーヒーもあり、大手ロースターから自家焙煎店が使用するレギュラーコーヒーもあります。
一般的にはインスタントと区別するために缶コーヒーはレギュラーコーヒーの区分にはいりますが、レギュラー、缶、インスタントの3種の方がわかりやすいでしょう。

 

 

 

これらの流通の中で「スペシャルティコーヒーがどの程度のシェアがあるのか?」についての実態は曖昧で、よくわかりません。
世界中のマーケットをみても曖昧ですが、増加しているのは間違いないでしょう。

 

 

 

10年程前の2004年にSCAAの関係者に聞いたところ18%(非公式)という返答で、最近の米国インポーターなどは25%前後という関係者もいます。
米国のコーヒー消費量が23.400.000袋(2013/IOC統計)ですから、25%ですと5.800.000袋の使用となります。日本の消費量7.400.000袋の78%に相当しますので、そんなにあるの?どうやって算出したの?と疑問は残ります。

 

 

 

日本の輸入業者及びコーヒー関係者より米国の方が、スペシャルティコーヒーに対する判断基準は緩いようにも思えます。反面、業務用コーヒーとしてレストラン、コーヒーショップが良いコーヒーを使用する比率は日本より多く、そのため米国のスペシャルティコーヒーマーケットは急拡大してきたともいえますので判断に窮します。

 

 
日本ではSCAJの会員(総合商社、専門商社、大手、中、小ロースターなど)を対象にした調査が2014年に行われ、SCAJ加入会社32社の加重平均で7%程度という大まかな推測数値を出しています。

 

 

日本の年間生豆輸入量は、約740万袋(60k/1袋)程度あります。
それらにはインスタント、缶コーヒー用も含まれ、その7%は490.000袋となります。
そんなにあるの?という印象はぬぐいきれません。

 

 
日本の場合、ブランドコーヒー(特にはブルーマウンテン、ハワイコナ)、農園コーヒー、認証コーヒー、トレサビリティのあるもの、高く買ったものなどについて各会社の考え方も異なり、これらを加えるか否かで大きく変わりますので根拠が十分とはいいきれません。

 

 
米日共に、これまで記述してきたスペシャルティコーヒーの定義を厳密に運用した数値とは考えにくく、これらの数値はあくまで「参考程度」としてみるしかありません。

 

そういうと、この文章を書くこと自体意味がないといわれるかもしれませんが、「スペシャルティコーヒーはどのくらい流通しているの?」という単純な疑問は常に残り、質問されることになります。

 

 

今後は、各生産国のスペシャルティ生豆の輸出データ、日本の輸入商社のデータなどを照らし合わせて類推していくことも含めた調査の必要があるとも感じます。

 

 

 

また、業界の観点からのみではなく、一般消費者がどの程度スペシャルティコーヒーを知っているのか?新鮮な香味を体験し、どのように受け止めているのか?などについても多面的に調査していくことが重要ではないかと考えます。

 

 

 

まだ、このようなコーヒーが実質的に流通し始めてから15年程度の歴史しかありませんので、今少し時間がたてば、よいものはよい、優れた品質にはそれなりの価格が伴うという消費マーケットが形成され、何%などという問い事態が必要なくなり、自然に解決していくのではないかとも考えます。