パパ日記

早くイエメンをのもう 未知との遭遇 モカ-1

イエメン産のコーヒーの香味を理解できるコーヒー関係者は世界でも少ないと思います。
日本の若い世代や米国のサードウエーブにも馴染みはありませんし、その昔スターバックスが「サナニ」を扱ったくらいでしょう。

 

 

日本ではモカマタリが有名ですが、未熟と醗酵豆が多く、本来の香味とは言い難いのが実情で、プレミアムのイエメンでも同じようなことがいえ、ハンドピックするとかなり捨てなければならないのが実態です。

 

 

 

何故そのようなことになるのでしょうか?
イエメン人はコーヒーを飲まず、果肉を乾燥させたキシルを煮出して飲用します。
そのためドライチェリーのまま保管され、脱穀して生豆にしますので、どうしてもニュークロップの流通がないような印象です。

 

 

 

私が初めて、イエメンのニュークロップらしきコーヒーを飲んだのは、この仕事を初めて15年以上たってからとなります。
その後もそのようなコーヒーにはなかなか巡り会わず、イエメンコーヒーに対する思いはありましたが、あまり期待をできない状態が続いていました。
しかし、ここ数年、徐々によい香味のイエメンに巡り会えることもまれに出てきました。
とはいっても本当の味は何なんだろう?という疑問はまだ残ります。

 

 

 

現在販売されているイエメンは、日本向けに出航した最後の船に積まれていたものと聞いています….。
現在、港は破壊され次回の輸出の見込みは立っていませんので、このコーヒーはとて、も貴重です。
大袈裟ではなく、もしかしたらこのレベルのイエメンはもう飲めないかもしれません。

 

 

 

エチオピアからイエメンに伝播し、その後イエメンのモカ港(現在は廃港)からインドやジャワに運ばれアムステルダム、パりの植物園経由で、フランスの植民地であるマルチニーク島で栽培された子孫が現在ティピカ系として残っています。
またブルボン島から東アフリカへ、、またギアナ経由で中南米に伝播したブルボン系も元をただせばモカ港から広まっています。

 

 

イエメンは、品種改良や他の国からの移植はないため昔からの品種が多くの残っています。
今後のコーヒー研究には、なくてはならないものも残っている可能性も高く、貴重な産地といえます。

 

 

 

このコーヒーに、日本のコーヒー関係者の多くはイエメンらしくないというかもしれませんが、この香味こそイエメンの本質の一部を体験できる味といえるでしょう。
私が伊勢丹で、4番のブレンドを積極的に販売したのもこのレベルの品質が確保された故です。
香味は

  • ニュークロップのフレシュさ
  • 従来のイエメンに見られぬクリーンさ
  • 酸の華やかさよりもややボディ感の良さ
    が基本的な特徴です。

 

 

焙煎したて、常温で10日程度保管した状態で香味は変化し、様々な香味を体験できますのでお楽しみください。
今朝も焙煎3~4日のものと、10日たったものを2種飲みました。

夕方世田谷店で入れてもらったものは、キャラメルのクリーミーな甘みが初めにきて、少し冷めると黒コショウのようなやや苦いニュアンスを感じました。
他の産地では体験できない未知との遭遇ですので初めての方はチャレンジしてください。

 

 

 

在庫のあるうちにお試しください。