パパ日記

日本の焙煎業-3 スペシャルティコーヒーの量

大手から中堅、中小、焙煎業の主な卸先である喫茶、レストラン、ホテル、FF、FR向けのコーヒーに占めるスペシャルティコーヒーの量、さらには一般家庭向けを中心とした自家焙煎店におけるスペシャルティコーヒーの取り扱い比率はわかりません。
一般的な生豆の商取引から見れば極めて少量であることは推察できます。

 

 

 

スペシャルティコーヒーについては、官能評価の側面からSCAJ,及びSCAA、各生産国の基準などから判断し、さらにNY相場以上のハイコマーシャルの生豆価格より高い価格という2面から総合的に勘案し推定するしかないでしょう。

 

 

 

認証コーヒー(レインフォレストアライアンス、ゴッドインサイド、バードフレンドリー、フェアトレード等)や有機コーヒー、価格の高いプレミアムコーヒー(ブルーマウンテン、OOマウンテン等)なども、スペシャルティーコーヒーとしてカウントするには官能的な評価が問われます。

 

 

 

生豆輸入量を740万袋(1袋60kg換算)とし、その75%の約5.550.000袋がレギュラーコーヒーとなります。そこから缶コーヒーを除くと約3.530.000袋が家庭及び業務用コーヒーとなります。
2014年のSCAJの会員聞き取り調査からの推測値では、全体の輸入量7.400.000袋の7%程度としていますので、約510.000袋程度となりますがこの数字は多すぎると思います。

インスタントと缶を除くレギュラーコーヒーの7%とすると247.100袋となります。
かなり粗っぽい推測ですが、スペシャルティコーヒーの使用比率の多い自家焙煎店を4000店と仮定し、その平均使用量の50%程度、その他の焙煎会社の使用量を勘案すれば、無理やりですがそれに近い数値として推測することはできます。
ただ、あまり意味はないですね。

 

 

 

現在のスペシャルティコーヒーは、黎明期を終了し、発展期にあると考えます。
その栽培、精製、輸送、保管に至るまでの様々な取り組みの情報はわかるようになりつつあり需要が伸びているのは事実です。ですから、焙煎会社や自家焙煎店の立場としては、どのような根拠でスペシャルティコーヒーとしているのかをきちんと説明できなければならないでしょう。
このことは重要です。

 

 

 

シングルオリジンという言葉を使用すればスペシャルティ、ハンドドリップでシングルサーブすればスペシャルティというような風潮もあり健全とは言えません。

 

 

 

スペシャルティコーヒーには、栽培から精製のプロセスにおいて十分な手間がかけられ、完熟した豆の比率が多く、欠点豆の混入比率が少なく、さらに生産地固有の特徴的な香味があります。
おいしい、まずいという個人的な嗜好以前に、生豆の品質がよいか悪いかという前提で成り立ちます。その上で、適切な焙煎と抽出であれば、おいしく感じられる可能性は増すと考えます。

 

 

 

最終的には消費者がその品質や香味の価値を判断すべきだと思います。
我々は、その良さを伝えて、消費者とのコミュニケーションの中で「おいしさ」を理解していただき、信頼関係を構築することが最重要なことと考えています。

続く