パパ日記

コトワとボディ-1

コトワ農園のコーヒーは、ドン-K、ダンカン、リオクリスタル等様々な畑がありますが、ゲイシャを除き品種はカトゥーラです。
この品種と標高、土壌などと香味の適性や関連はわかりませんので結果としての香味について、2回飲んだ所感です。
基本的にはこの焙煎度から判断し、酸よりボディに特性があると感じます。

 

 

 

ボディは、テースティングでは難しい味の感覚です。
コーヒーは、大枠では苦みと酸味と甘みの飲み物ですが、ボディは苦みとは異なります。
いつも書きますが、コーヒーには多様な苦みがあります。
苦みは日本の食文化の中で重要な味で、日本人はそれを理解できるのですが、欧米人には忌避のある味のイメージが強いようで苦みのデリケートさは理解されにくいのでしょう。
米国のサードウエーブの関係者達が、ネルで入れた焦げのないフレンチローストの、なめらかで奥行きのあるデリケートな香味を理解するにはいま少し時間がかかるでしょう。

 

 

 

米国人が作ったカッピングフォームには苦みという評価項目がありません。
評価項目には、日本人にはわかりにくいボディやマウスフィールという言葉が使用されます。

 

 

 

ボディは、 飲んで口の中で感じる粘性、濃度、複雑さなどで、舌触りや厚みなどといえばよいのでしょうか。
水とコーヒーを比較した時の粘性の強弱は、脂質の含有量や繊維の微粒子などの量から感じられると思います。
この脂質は、コーヒーの香味成分を吸着しますので、よいコーヒーであれば脂質の高い方が香味特性が複雑である可能性は増します。
更に言えば、ボディは、柔らかな苦味や旨味や甘味の複合的な香味のニュアンスであるとも思いますので、やはり難しい概念です。

 

 

 

 

例えば、現在販売中のペルーの「フェスパ」は、ボディは中程度で主な特徴はやわらかさ(soft)にあります。
今朝飲んだコロンビアのプリマヴェーラも中程度の柔らかなボディです。
対して、コトワの「ダンカン」はそれよりボディがあるととらえます。
両方を購入して確認してみてください。
 

 

 

一般的にはボディのある豆の方が、酸も強い傾向があり、深い焙煎での表現領域が広くなるように思います。
堀口珈琲の購入するケニアやイエメンをフレンチにするのは、酸やボディがあり味が崩れないからです。
これは、あくまで堀口珈琲でセレクトした生豆を前提とします。
例えば、ケニアは、すでに15年の購入のキャリアがあり、様々な香味を体験し、優れたファクトリーのあるロットを選択することができます。
また、イエメンは、モカマタリのような欠点の多いものやバニマタリの鮮度の落ちたものではなく、フレッシュで欠点の香味がせず、ある程度生産履歴のわかる特殊なイエメンであることがそれを可能にしています。

 

 

 

しかし、ボディあるからよいわけではなく、酸などとのバランスも慎重に見る必要があります。コーヒーにはさまざまな良さがあります。
また、アラビカの中にもロブスタやカチモールに見られる重い味の感覚が含まれるものも多くあり、そのような感覚とボディは区別しなければなりません。
クリーンさの感覚を理解できればここはわかると思いますので、様々な店の様々な焙煎のコーヒーも飲み、香味のブレや濁りを理解してください。

 

 

 

このダンカンのカツーラには、滑らかな舌触り、完熟した甘く優しい柑橘の酸、落ち着いた深みのある味わいなどを感じます。
ダンカンには他の多くの豆より蔗糖が多くふくまれていますので、甘みをしっかり確認できると思います。
味覚テストは、蒸留水とそれ1リットルに4gの砂糖を溶かした水溶液との違いを確認しますが、この甘さを把握しておくと、ダンカンはそれ以上に甘いということも十分に理解できます。
この甘みと有機酸や脂質などの関連の中でボディ感は変わると思われます。