パパ日記

ブレンドの時代

堀口珈琲は10年以上前から、世界中の多くのトレーダー、ロースターに先駆け、

単一農園の生豆を求めてきました。
たった10年ちょっと前の話ですが、このことを理解できるエクスポーターやトレーダーは世界中にほとんどいませんでした。
したがって、「10年間継続して買います」というリスクのあるスタンスで、世界中の農園を独自に開拓してきました。
当時パートナーシップという考え方を実践した世界でも数少ない会社です。
価格が高くとも、買い続けましたので、高品質生豆のバイヤーとしては世界でも極めて珍しい会社だと思います。
こうして2000年代は、世界中の農園の豆を片っ端からカッピングし、生産地の固有の香味を確認し、かつ購入してきたわけです。
堀口珈琲はスペシャルティコーヒーの先駆的役割を果たし、10年以上の長い旅をしてきました。
こうして、世界中の生産地の香味がある程度理解できるようになりました。
もちろん、まだまだ未知の領域はありますが…….。
堀口コーヒーにとって2000年代は単一農園の開発の時代でした。
多くのエクスポーターから「あなたのように単一農園の豆を欲しがる人は初めてだ」といわれ続けながらも、道を切り開いてきました。
年間100以上の農園、農協の生豆を購入している世界でも稀有な会社です。
しかし、今では、入荷量は少ないもののスペシャルティコーヒーを多くのトレーダーが扱うようになり、単一農園の豆を誰でも簡単に入手できる時代になりました。
もちろんスペシャルティこーひーといってもピンキリで、すでに2極化していますが….。
だれもが同じ単一農園の豆を販売する。
そこでの差別化はローストのみでしかありません。
さらなる創造的な作業は、どの農園の豆をブレンドし、どのような新しい香味を生み出すか?ということになるでしょう。
ブレンドにより、店の自主性や差別化をはかることができるでしょう。
単純に単一農園の豆のみを販売する時代から 新しいブレンドの時代に移行するべきというのが堀口珈琲の考え方です。
単一農園の豆を並べてコーヒーを売ることは、もはや初心者でも、だれでもできます。
しかし、その香味の本質を理解し、高いローストの技術で新しい香味を表現するのは簡単ではありません。
長い経験と高いカッピングスキルが問われます。
2010年代は優れた生豆の香味を さらに発展させる必要があると考えています。
くどいようですが、それがブレンドです。

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私は20年以上前からブレンドを作り続けてきました。
10年以上前は、選択できる生豆が少なく、ブレンドに限界がありましたが、
今は、最高峰の優れた生豆を駆使し、ブレンドを作れる環境にありますので、
ロースターとしては最も楽しく、独創的なことができるいい時代になったと感じています。

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これまで23年間、多くのブレンドを作ってきました。
今 その長い歴史の答えが9種のブレンドに反映されています。
これは、世界中のコーヒー会社がまだ取り組んでいない未知の領域の世界だと思います。
簡単にはマネはできないでしょう。