10/08の早稲田のオープンカレッジは、コーヒーの香味の違いについて90分1コマ担当します。
その昔、2008年から2012年まで5年間、早稲田のエクステンションセンター(早稲田及び八丁堀に校舎がある)で、スペシャルティコーヒー等について担当を持っていました。
高品質のコーヒーとは?などを中心に….スペシャルティコーヒーの普及に努めていた時期です。
その後は、エクステンションセンターとは疎遠になっていました。
今回は、上智大の名誉教授の小林先生から依頼を受けたものです。
よくよく考えてみると、コーヒーの基本の香味とはなにか?、何が良い香味なのか?について客観的に説明することはかなり難しいことです。さらにはそれを裏付けることはさらに厄介なことで、嗜好品は深く入り込めば入り込むほど難しいと感じます。
コーヒーの香味については、生産国におけるテロワールや品種、生産過程、その後の流通過程全般を理解し、消費国における焙煎から抽出までをも理解している必要があります。
ワインもテロワールから、栽培方法、醸造などの様々な過程での理解が必要で、最近は産地に出向く人も増え、醸造学を勉強する人も増えています。
2000年以前は、ワインもコーヒーも産地に行くトレーダーや関係者は少ない状態で、輸出会社とのやりとりが中心でした。しかし、その後はインターネットの発展と共に情報が拡大し、産地との繋がりは大きくなり、当たり前のように産地に行くようになっています。
そのような時代の中で、某ワイン輸入商の方は、30年間産地に通い、同じ農園をいくつも見て来ていましたが、そのような人は世界中でも稀有といえます。コーヒーも、同じ農園と10年以上付き合い訪問しているような会社は世界的に見てもまだまだ少ないはずです。
ワインもコーヒーも、生産者と販売者の距離が短くなりより良いものが生み出される時代に入っていると思います。
テースティングはややワインの方が早く1980年代くらいから徐々に進化し初め、コーヒーは2000年代にはいってから急速な進化をしていると思います。
しかし、ソムリエの仕事がお客さまの求めるものを斟酌しつつ、よりこのましいワインをアドバイスする仕事から能書きを話す仕事になってきているように、コーヒーのプロの仕事も消費者が好むコーヒーの選択の手助けをすることから、コメントを言わなければならない変な状況になっているとも感じています。
某ソムリエともよく話すのですが、「ソムリエもコーヒーマン」も「言いたがる傾向が強くなり」「自分の見解を押し付ける」方向に向かってっているように思います。
ワイン業界も第3世界のワインが増加し、もはやいろいろありすぎてテースティングの交通整理が必要に感じますし、コーヒーもマイクロロットが増え過ぎカッピングによる表現の交通整理が必要な時代に入っていると思います。
このような複雑系の時代にあっては、テースターは明確な香味の軸をもっていなければなりません。その為にはワインやコーヒーの香味をできるだけ体系的に学習する必要があるというのが個人的見解です。
それらの方法は、過去のセミナーで何度かやってきましたが、優秀なトレーナーというかコーチが必要だとは思います。