パパ日記

チョコレート-3

10/13の続き
昨日の某夕刊紙1面に大々的に「ビーントゥバー」ブームについて書かれていましたので。
先日の続きを。

 
この動きは、米国ではトレンドで、1994創業のサンフランシスコのチョコレート専門店では50g21ドルの板チョコがすぐに売り切れると紹介されていました。
20年以上の歴史があり先駆的店と思われますので可能な価格と思われますが、日本では余りに高く簡単には売れないと思います。
しかし、現実的にはこのくらいの価格でないと採算は合わないかもしれません。

 

 
日本においては現在約50くらいのビーントゥーバーがあるといわれますが多くは最近の創業で零細です。数年前からブームといわれながらも増加していないという現実もあり、記事はそのような本質的な問題には触れず、単純にトレンドを紹介しているだけのように感じました。
このことは、以前サードウエーブを多くのメディアが取り上げ、その本質を伝えきれず、出店の悪しき事例を生み出してきたことと同じようになるのではないかと危惧します。

 

 

 

コーヒーのマイクロロースター、ビールのマイクロブリューワーなどに影響を受けたのでしょう、カカオの自家焙煎詩チョコレートまでを作る「bean to bar」が誕生し、世界的な広がりを見せています。
日本でも早くから着目されていましたが、言うは易し…ハードルが高いということも伝えるべきでしょう。

 

 

 

1.コーヒーは2000年以降15年かけスペシャルティを生み出してきましたが、カカオはそこまでの品質差を明確に理解できるとは思えませんし、多様な流通が確立されているわけではありません。

2.新規参入してもその品質をきちんと理解できるようになるには長い時間がかかると思われますし、其れを指導できる人も多くはありません.

3.コーヒーは、生豆を焙煎すればそれで完了ですが、チョコレートはカカオを焙煎してからの工程が多くあります。

4.焙煎から粉砕、コンチングマシン(ねる)までの国産の機械は販売されていない為、何らかの対策が必要で、この段階でハードルが高いといえます。

5.焙煎機の代わりにオーブンを使用したり、粉砕して皮などをとり除く機械、細かく砕く機械がないため手でむいたり、それをフードプロセッサーで砕いたりしている人もいます。
さすがにねる機械がないと作れません。輸入するか、何かで代用するしかなく、選択肢が少なすぎる状態です。機械をそろえるには資金が必要となりますので、個人レベルでは大変かもしれません。

6.カカオ豆の流通が極端に少なく、現時点では限定された入手ルートしかありません。
反面、個人レベルの少量購入が可能な商社も生まれ、カカオ豆の販売量は増加しています。

7.チョコレートを作ることが面倒で、カカオ豆を砕いて味付けをして販売するなどの方向に向かうケースもあります。最終的にチョコレートを作っても、少量生産しかできず、うまくやらないと採算が合いません。

8.焙煎温度が低いためカカオ豆には菌が付着しています。滅菌の問題もあります。

 

 

 

とはいうものの、そんなことを言っていたらいつまでたっても新しいことはできません。
みなさん試行錯誤して、未来を切り開いている創成の時期だと思います。
まずは、十分な研究が必要と考えます。