パパ日記

嗜好 おいしさ-1

1970年代を駆け抜け突如引退したちあきなおみの、情感をともなう歌唱力は、昭和歌謡の神髄です。
演歌とは異なる詩情あふれる歌も多くあり、好きな歌手です。
水原弘のオリジナル曲のカバー「黄昏のビギン」は、永六輔と中村八大のコンビ曲で、多くの歌手がカバーしていますが圧倒的な力量差を感じてしまいます。(岩崎宏美の少しジャズっぽいアレンジのものもよいですが…..)

この歌が好きか嫌いかは嗜好性の問題ですが、よい歌であるかの総合的な良さは難しいでしょうが、別の尺度で測る必要があるかもしれません。

 

コー

 

ヒーの嗜好は、感覚を土台とし好ましいと感じるか否かの感情とその価値判断です。
しかし、コーヒーなどの嗜好飲料の場合は、味やにおいの他に嗜好を左右する様々な要因があります。
知識や飲用経験、気候や地域特性、価格などにより左右される可能性があり、中でも飲用経験や学習は大きな要因となるでしょう。
したがって、コーヒーの好き嫌いの嗜好とコーヒーの良し悪しは分けて考える必要があります。
私は、まず原材料である生豆の品質を追い求め、それらがよりよい香味を生み出すという前提で仕事をしてきました。よい香味の中においしさを感じる嗜好は生まれると考えます。

 

 

 

私は柔らかな味わいの深い焙煎のコーヒーが好きで、そのようなコーヒーを作るためにこの仕事を始めました。
しかし、素材である生豆の品質が重要であることに気付くには多くの焙煎経験が必要でした。
当時市場にあるコーヒーは中煎りが90%以上でしたので、深い焙煎が好きか嫌いかは嗜好性の問題でした。
反面、それが適切な香味を生み出しているかいなかという良し悪しは異なる尺度で考えました。
よい深い焙煎のコーヒーであれば多くの人々に理解されると考えていたわけです。

 

 

この仕事を始めた27年前から、「おいしさには段階がある」ということを信じてよいコーヒーの香味を求めてきました。おいしさは難しい概念ですが、以下のように整理されることもあります。

 

時間が無くなりました 続く