ブラジルのコーヒー生産量が60.000(in thousand 60kg)袋を超えるとの報道があり、コーヒー市場に大きな影響を与えるかもしれません。
ブラジルのコーヒー生産量は世界最大で、全生産量の33%~35%(2014~17))を占めます。
直近の4年間では52.299~56.787千袋(ICO)でしたので、大幅な増産です。
さらにブラジル生産量全体の中でロブスタ種であるコニロンも多くを占めています。(比率は調査中、ただしコニロンは国内消費がおもで日本には輸出されていない)
ブラジルは標高差が少なく、広大な土地での大量生産が主であり、この増産は、コモディティ生豆価格を押し下げ、他の生産国の生産者に影響を与える可能性があります。
今から20年近く前にも、ブラジルの増産とべトナムの増産が重なり、コーヒー相場の下落から生産者の離農や転作がみられ、「コーヒーの危機」が叫ばれました。その後フェアトレードなどの活動が見られるようになりました。
消費拡大の中で、増産は、一見よさそうに見えるのですが、さび病被害から14.000千袋前後まで回復した世界第2位の生産国であるコロンビアやコーヒー産業に依存した中米の生産国などには、生豆価格の低下が生産コストを下回ることになると憂慮されます。
例えば、コロンビアの小農家は60万人の生産者がいて、平均で1.58haの農地があります。そのうちFNCの指導で20%はリノベーションしていく方針ですので実際の生産区域は平均1.3ha前後となります。その平均生産量は、23袋(60kg換算)程度といわれます。(FNC調査)
2016年のコロンビア生産者の平均年収がUSD4.700程度でしたが、ICO(International Coffee Organization)のコロンビアマイルド価格などは影響を受ける可能性が高く、収入の低下が懸念されます。 したがって、このような事態に備え、コロンビアにおいてもコモディティから、特定の産地、品種、特別な精製、選別など何らかの付加価値のあるコーヒー生産に切り替えてきています。
つづく