パパ日記

サン・ホセ・オカニャ

サン・ホセ・オカニャはかなり特殊な農園です。
標高が高いので収穫は遅くなります。
熟度の高い実を収穫しています。チェリーの色が違いますね。

多くの完熟チェリーの色はブルゴーニュのワイン色ですが、この農園の豆は濃いボルドーワインの色です。
香味も熟した濃厚さがあり、ボディの優れたアンティグア産とも一味違います。

 

このような熟した果実を収穫することに執着するアンティグアの農園にウリアスがあります。
(最近サンプリングしていませんので確認していません)
樹上でぎりぎりまで熟させますので、失敗すると果肉臭が出てしまいます。リスキーですね。

 
サン・ホセ・オカニャの初取引(4年豆)の香味は、そのぎりぎりの香味で果実感があり、
中米のコーヒーとは思えませんでした。

しかし、このような香味の原因を追究すると

1.意識的に行った場合

2.単純にピッカーが不足して収穫が遅れ樹上完熟した場合

3.水洗加工の工程が影響した場合

4.土壌、気象条件が良かった

など様々な要因が考えられます。

この農園は、生豆価格も高く、毎年苦悩しますが「いいものはいい」ので購入を継続しています。




スペシャルティコーヒーの生豆価格は2極化していて、人気のあるものは高値安定しています。
堀口珈琲はそのようなスペシャルティの中でも突出した価格の高い生豆ばかりを購入していますので、
為替は円安に振れすぎると困ります。

 

 

円安メリットのあるのは一部の輸出関連会社にすぎず、日本はすでに輸入大国でもあり、
経済は単純に「円安だからいい」とは言い切れません。

しかし、経済は心理学でもあり、多くの人がそう思い、消費者が財布のひもを緩めればお金は循環しますので悪いことばかりともいいきれません。

 
金融緩和し、お金を刷ればいいというわけではないのも事実です。
お金が銀行に流れても、銀行がお金を貸せる優良企業は少なく、お金が流れにくいのも事実です。
銀行には貸したくともリスクのない貸付先があまりに少ないのです。

別ルートでお金が公共事業に流れても、一時的な効果で、生産投資に回らねば経済を下支えできないのは明白です。


海外の投資家は、ここぞとばかりに日本株を買い、株価が上がりましたので、
日本の投資家も遅れてはいけないとさらに株などに投資し、バブルな方向に進みつつあります。
横断歩道みんなで渡れば怖くないといったところでしょう。


株価があがり、含み益が出た投資家は今後土地や住宅に投資を広げるでしょうから、不動産価格も上がることが予測でき、最終的には家賃にも影響していく可能性があります。

 
店舗物件であれば、これまでの不況で下がった保証金や家賃が上がる、また借入金利も高くなる可能性があり、出店に影響するかもしれません。
80年代にバブルを体験したものとしては危険な香りを感じます。

 

この経済政策は、一時的に利益を得る人はいても、長期的に見るとリスキーと感じる人も多くいるでしょう。少しずつ、投資は拡大しますが、実体経済を支える生産部分に投資が回らないで不動産に回ると不動産バブルになる訳です。


日本は、格差や少子高齢化という構造的で致命的な問題を多く抱えていますので、
新しい産業の育成や、経済を持続的に支える政策が早く問われます。