パパ日記

サードウエーブ-3 その本質は?

サードウエーブとよくいわれる一般的特徴は以下のようなものです。

01生豆のトレサビリティつまりはシングルオリジンを扱い
02店内に焙煎機を置き、浅目の焙煎で酸と甘みを強調し
03.エスプレッソ以外にペーパドリップで一杯とりをし
04.350ccの幅広の大きなカップを使用し
05.木目調のインテリアを多用しています。
これらの店の表面的な部分を見て、日本、韓国で真似して出店する事例が後を絶ちませんが、サードウエーブの本質はもっと違うところにあります。

 

 

では米国のサードウエーブの動きから、読み取れることは何でしょうか?
年間1万袋(60k換算)以上の生豆を使用するまでに成長したロースターなどの場合は。

01.歴史が浅い分、創業からの歴史を重要視し社員教育している
02.昔使用した焙煎機、マシン、看板など古いものを大事にしている
03.ビンテージの焙煎機を使用し、職人的焙煎をしている
04.焙煎はミディアムの浅目で酸と甘みを強調する
05.工場の機械化はせず、人の手で対応している
06.パートナーシップ、リレーションシップを重要視し、産地に出かけている
07.資金力のある一部会社はダイレクトトレードに向かっている
08.ケニア、エチオピアのイルガチェフェが好き
09.ショップはパイロットショップの色彩が強く、チェーン展開はしていない
10.売り上げの90%が卸売りである
11.顧客開発のためのトレーニングセンターを重視している
12.会社やブランドのビンテージ化(伝統的な価値の構築)を図っている
13.急成長しているため、新たな工場建築に進みつつある
14.一部はコーヒービジネスとしての拡大を求め始めている

 

 

 

小規模のマイクロロースター(自家焙煎コーヒーショップ)の場合は。
01店内に焙煎機を設置している
02.焙煎はミディアムの浅目で酸と甘みを強調する
03.シングルオリジンがすき
04.生産地に関心を持っている
05.賞味期限でなく焙煎日を記載し、新鮮なコーヒーを販売している
06.小売りから卸売りを増やそうとしている
07.エスプレッソとペーパードリップの両方の抽出をしている
08.抽出はハリオを使用、さらにケメックスとコーンも使用し始めている
09.ポアオーバーとかハンドクラフトコーヒーとかいういいかたをする
10.冷たい飲み物に興味を示し始めている
これらはスペシャルティコーヒーに影響を受けて2000年代に開業した日本のビーンズショップと多くの共通項を持っています。

 

 

 

 

サードウエーブというのは新しくも特別のものでもなく、2000年以降消費国及び生産国をも巻き込んだスペシャルティコーヒーの革命的ムーブメントの中で生まれた動きの一部と考えた方がわかりやすいでしょう。サードウエーブは、その一面もしくは現象面しかとらえられないことが多く、その本質を見失いがちです。
2000年以降のスペシャルティコーヒーの革命的動きが、サードウエーブなどという言葉では説明しきれないほど大きな変化をコーヒー業界にもたらしてきたことこそ重要でしょう。

 

 

 

スペシャルティコーヒーのムーブメントは、主には2000年以降、生産履歴をもとめる意識、持続的な栽培への取り組み、フェアトレード運動、生豆のグレーディング、客観的な評価、栽培から精製に至るまでの品質管理、マイクロクライメート(微気候)、パートナーシップ、ダイレクトトレード、生豆の輸送方法や保管の意識変革、焙煎のスキル、抽出方法の多様化、消費者の啓蒙など多岐にわたります。