パパ日記

いちご王国とイチゴの成分-1

イチゴは、「とちおとめ」の種苗法の特許期限が終了したからでしょうか?
各県の農業試験場などで新種の開発競争が激しくなっています。
この法律では、品種登録の期限が15年と短く、2011年に期限切れで、栃木は焦ってスカイベリーを開発した訳です。しかし、とちおとめの特許牙城が崩れたため、イチゴ品種の乱立となったように思います。その後の法改正では品種登録期限は25年となりました。

 

 

 

 

バイヤーの選ぶイチゴベスト20の中でベストテンを見ると、ダントツで「あまおう」(福岡)が511ポイントで首位。2位の「紅ほっぺ」(静岡)340、3位「とちおとめ」(栃木)336ポイントに差をつけています。あまおうはイチゴの王様として、もはや知らない人がいないくらい広まっています。
(百貨店、スーパーのバイヤー135人が最高20点で評価/日経MJ)

 

 

 

総合評価とで味・外見にかかわると考えられる「甘さ、色つや、鮮度、粒の大きさ、食感」などの項目については、ほぼ相関関係がみられます。
ただし、鮮度では「とちおとめ」、供給の安定度及び価格の妥当性で「さがほのか」(佐賀)4位/326ポイントが、利益率では「とちおとめ」が首位となっています。

 

 

 

以下順位は、5位「さちのか」(長崎)、「スカイベリー」(栃木)、「ゆうべに」(熊本)、「章姫」(静岡)「ゆめのか」(愛知)、10位「ひのしずく」(熊本)がベストテンです。
こう見ると、ベストテン中九州は50%を占めイチゴ王国と考えられます。
ただし、果実生産県である、熊本の「ゆうべに、ひのしずく」は東京では流通がほとんどなく、食べる機会がありません。「ゆうべに」は食べた記憶がありません。
早速、取り寄せて食べなければなりません。

 

 
もはや、日本産は世界に類を見ないイチゴ大国といえます。
春以降生産がなくなっていきますので、アメリカなどの輸入イチゴがショートケーキに使用されるようになりますが、その味の差はあまりに大きく、日本が特殊なイチゴ王国であることが理解できます。
ただし、最近は、夏場に北海道などでイチゴ生産もみられるようにはなっていますが、業務用でスーパーに並ぶ量はありません。

 

 

 

さて、バイヤーの評価と一般消費者の評価と私のようなイチゴマニアとでは評価は異なります。
まずイチゴの味は、甘みと酸のバランスにより構成されます。
甘味はショ糖の含有量で、酸はクエン酸、リンゴ酸の量やその他の酸からなり、それらが味を構成します。
コーヒーも、同じようにクエン酸とリンゴ酸の量及びその他の有機酸との組成バランスで味は変わってきます。しかし、その考察は非常に難しいといえます。
(ここから先は、論文提出が終了したら、いずれお話しします)

 

 
イチゴの甘味は、気温ではなく、積算温度で糖度が上がると考えられています。
一般的には収穫までに600℃の温度が必要とされていますので、20度の温室であれば30日、15℃であれば40日かかります。

 
温度が高いと生育が早くなる利点がありますが、じっくりとうまみ成分の蓄積がされず、サイズが大きくなり、痛みも早くなります。温度が低い方が甘味は強くなると考えられますが、収穫まで時間がかかります。

 

 

 

アスコルビン酸(ビタミンC)の濃度が酸味に影響するようで、温度が低いと増加するようです。
イチゴの場合、気温の寒暖差は甘味とは関係なさそうです。

 

 

 

このように見ると、味は、酸とショ糖の関係が大部分で意外に単純だということがわかります。
勿論テクスチャーは重要ですが。
コーヒーは、さらに多様な成分により風味は影響を受けますので、かなり複雑となり、風味研究が行き詰まる原因となります。

 

 

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先日いったイチゴ狩りの温室は、25℃くらいはあった様な気がします。
生育を速めていたのではないかとも考えます。
人気のあるイチゴ農園では、それでもいいのかなと感じましたが、確かなことはわかりませんので、間違っていたらごめんなさい、訂正します。

 

 

参照/日本植物整理学会データ. 日経MJ2018.01.29