パパ日記

本の出版

旦部さんから「珈琲の世界史」が送られてきました。膨大な文献からの蓄積によるもので驚きます。

 

 

 

さて、私に関していえば、「珈琲の教科書」以降本の出版から10年近くが経過しています。
もともと、文才が無いにも関わらず本を出版していたのは、その時点での最新の価値観や情報を開示することにありました。したがって、多少曖昧な部分があっても時代の変化を提示することを優先して書いてきました。
5年もたてばその価値は減少すると考えていましたので、それなりの役割は果たしたと思います。
いまだに、昔の本がアマゾンのリストに多く載っていますが、今では、多くの情報が収集できる環境が生まれ、また類似の本も多く出版されていますので、個人としてはこの種の本を書く意味はないと考えています。
 

 

出版の依頼はありましたが、10年近くの空白は、自分が書くことに限界を感じたこと、つまりは様々な内容について個人的に疑義を感じてしまったことなどによります。
コーヒーの世界は曖昧な部分が多く、「あたりまえ」と思っていることを「なぜ?」と問うときちんとした答えを見いだすことができないことが多々あります。
初心者からプロまで様々なニーズがありますので、実用書は夫々の方に見合う内容でよい訳で、あまり深く考えなければよいとは思いますが、コーヒー業界に有益なことを提案したいと考えていますので、少し角度を変えて新しい視点でコーヒーを見ようと考えたのが大学院に入学した理由の一つでもあります。(全てではなく、一部ですよ)
 

 

私が出版から遠ざかってからの10年近くの中で「コーヒーこつの科学」(石脇智広/柴田書店)、「スペシャルティコーヒー入門」(伊藤亮太/青春出版社)、「コーヒーの科学」「珈琲の世界史」(旦部幸博/講談社)など、これまでにない視点や見識によるものも幾つか出版されています。

 

 

 

そのような中、私の本は、台湾、中国語に翻訳される事例が多くなり、すでに「珈琲の教科書」は台湾、中国、韓国で出版されています。特に韓国では4万部とコーヒー本のロングセラーとなっています。
「おいしいコーヒーのある生活」は、すでに中国で出版され、来年には台湾で出版される見通しです。
最近は、日本の各出版社がきちんと海外の出版社と翻訳契約をしますので少ないながらも印税は入ります。

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これまでの自分の経験や考え方をきちんと伝えるためには、ある程度の情報量と裏付けが必要と考えてきましたので、気力があればいずれ出版したいとは考えています。