ブレンド、堀口珈琲イズム
堀口珈琲は深煎りを追求することで、
浅煎りの新たな境地を切り開き、
ブレンドを追求することで、
シングルオリジンも進化させていく、
そんなロースターです。
共進化するコーヒー
「シングルオリジン」と
「ブレンド」
スペシャルティコーヒーの楽しみ方は、大きく分けて2つ。農家ごと、地域ごとの素材を単一で楽しむ“シングルオリジン”、複数の素材を組み合わせる“ブレンド”があります。

単一か、組み合わせか。
スペシャルティコーヒーのみならず、嗜好品として供される飲み物の世界では、単一で楽しむ作法と、複数を組み合わせて楽しむ作法が共存していることはよくあります。
1つの蒸留所をそのまま楽しむシングルモルトウィスキー、複数の材料・蒸留所を組み合わせるブレンデッドウィスキー。単一品種が基本のブルゴーニュワイン、複数品種のブレンドが基本のボルドーワイン。

堀口珈琲の単一
“シングルオリジン”
堀口珈琲では、“風土の特徴”、“生産者の個性”が「適切な焙煎で取り出されたコーヒー」を“シングルオリジン”と捉えています。“素材の個性=浅煎り”と考える風潮もありますが、素材の特徴を的確に捉え、どのような焙煎で個性を取り出してあげるか判断することは、ロースターの大切な役割です。
堀口珈琲では創業時から、「焦げのない、甘みを伴う柔らかな苦味」の深煎りを追求してきました。今ではその過程で磨きあげた焙煎技術をもって、時には浅煎りで、時には深煎りで、素材に応じた適切な焙煎を追求し、シングルオリジンを手がけています。

シングルオリジンの源
優れた品質の生豆が優れたシングルオリジンには欠かせません。といっても、その年限りの“たまたま”の品質は、あまり求めていません。
堀口珈琲にとって生豆の生産者は、“持続的に優れたコーヒーをお客様に届けるためのパートナー”です。そして、長期的な協業を通じ、共に発展していくことを目指しています。
10年、20年を超え品質向上に取り組んできたパートナー、新たに出会った気鋭の生産者に支えられているのが、堀口珈琲のシングルオリジンです。

堀口珈琲のスペシャリテ
=ブレンド
ブレンドには、風味のバランスをとる、コストを調整する、など作り手によって異なる目的があります。
堀口珈琲がブレンドを作る目的、それはシングルオリジンではなし得ない“風味の追求”です。シングルオリジンにおいても、“焙煎”を通してロースターの役割は果たせます。
しかし、ブレンドによる風味の創造は、単一素材の枠を超えたいわば、“ロースターの特権”とも言えるコーヒーの提供手法です。
堀口珈琲のブレンドは、シングルオリジンでは味わえない要素を備えた「スペシャリテ」と言える存在です。

共進化するコーヒー
堀口珈琲のブレンドへの思い入れは、並々ならぬものがあります。そのブレンドは、シングルオリジンを素材として組み合わせ、生み出されます。
そして、日々続くブレンドの追求から「こんな素材が欲しい」とリクエストが生まれることも珍しくありません。必然的にシングルオリジンの追求も熱を帯びます。
パートナー生産者との品質向上の取り組み。新たな地域・生産者の探索。これらを通して、新たな品質、新たな個性のシングルオリジンが生み出されます。それはまた、創造の幅を広げ、新たな風味へのチャレンジを可能にします。
創業時から、堀口珈琲の“シングルオリジン”と“ブレンド”は、相互に作用し合い、共に進化を続けてきました。双方がコーヒーの楽しみを広げる源泉となる大切な存在です。
2021.08.21 → ブレンド 2.0

新時代のブレンドへ
創業時からブレンドを作り続けてきた堀口珈琲。
そのブレンド史は、素材の変遷に刺激を受けながら、変化し続けてきた歴史です。
特に、2000年代のスペシャルティコーヒーの発展は、グァテマラ・サンタカタリーナやタンザニア・ブラックバーンといった、これまでにない高い品質の素材を少しずつもたらし、ブレンド作りを“足りない味わいの要素を補う”から“特別な味わいに仕上げる”という積極的な姿勢へとシフトさせていきました。
そして、2010年代前半のシングルオリジンの劇的な多様化は、組み合わせきれないほどに素材の選択肢を広げ、ブレンド作りにおいて“作り手のイメージ”をより重要なものにしました。


さらなる進化を求めて
新たに加わった、ホンジュラス奥地でサビ病を逃れたティピカ品種や超高標高で栽培されたコスタリカ。高すぎるポテンシャルにさらなる磨きをかけたエチオピア…
ブレンドの可能性もさらに広げてくれる、素晴らしいコーヒーばかりです。
一方で、生半可なブレンドでは、存在意義が薄れてしまうほどのコーヒー達です。「ブレンドする意味とは何か」この問いを、新世代のシングルオリジンは改めて投げかけてきます。
2020年7月から、改めてこの問いに向き合い、導き出した答えは、ブレンドを再定義すること。
改めて堀口珈琲の定番として作りきる、CLASSIC
その年の特別を季節ごとに表現する、SEASONALS
ブレンダーが制限なく自由に、FANTASIA
2013年4月に始まった新時代のブレンドは、
2021年8月21日から、次のステージに進みます。

CLASSIC
ブレンドの基本
“作り続ける”を守りながら、
“ブレンドならでは”を追求した
9つ
BRIGHT & SILKY
「おいしい酸味」
本当のコーヒーの酸味は心地よいものです
かろやか、爽やか、華やか、でもどこか複雑な浅煎り
FRUITY & LUSCIOUS
「コーヒーと果実」
コーヒーに感じられる果実を詰め込みました
様々な果実が絡み合う複雑なフルーティーコーヒー
MILD & HARMONIOUS
「立体感」
様々な風味がきれいにやさしく広がっていく
ブレンドする意味を素直に表現しました
AROMATIC & MELLOW
「馥郁たる」
果実や花、スパイス、熟成感
スペシャルティなブレンドは、
“ふくいく”たる香り
SMOOTH & CHOCOLATY
「ありそうで、なかなかない」
苦味は穏やかで、甘くて、滑らかな口あたり
普通にありそうで、実は複雑、ちょうどいい
WINEY & VELVETY
「深煎りと果実」
深煎りでも果実を感じたい
滑らかな舌触りの赤ワインを思わせる仕上がりです
BITTERSWEET & FULL-BODIED
「おいしい深煎りの条件」
苦く、甘く、コクのある
“The 深煎り”を目指す王道のブレンド
PROFOUND & ELEGANT
「深煎りエレガンス」
しっかり苦く、飲みごたえがある、なのに華やか
#7と対をなすエレガントな深煎り
DENSE & TRANQUIL
「より深く」
素材を厳選してより深く、もっと深く
甘味、香り、粘性、様々な風味が
余韻まで訪れ続ける密度の高さ
SEASONALS
その年、その季節の素材で、
その時のおいしさを、
特別に作る4つ
NEW YEAR
新年の清廉な空気と共に
一年のスタートをきるブレンダーからの年賀状
PRIMAVERA
春と楽しむ
心躍る華やかに
SUMMER
夏はアイスで、夏もホットで
朝も、夕暮れも、堀口珈琲の夏の風物詩
HAPPY HOLIDAY
冬をたのしく鮮やかに
親しい人に、大切な人に、何よりも自分に
お気に入りのスウィーツと共に
FANTASIA
即興の、実験的な、
入念に構成された、
ブレンダーが自由に取り組む、
楽しさ溢れるブレンド
ROASTERS
その時の素材、その時のイメージ、その時の感覚
ブレンダーの“今”を自由に語る
PAPA’S
創業者・堀口俊英が豆の選定から
配合の決定までを手掛けます