パパ日記

コロンビア・タママウンテン

オズワルドのようにコロンビアの農園のものはある程度品質管理ができますが、コロンビアの多くは小農家であり地区ごとの品質管理が細かくはできないのが事情でしょう。
小農家の豆が混ぜられ一つのロットが作られる仕組みですので、そのすべての生産農家の品質が良くないと、品質の安定にはつながらないので難しいわけです。

FNCは細かな対応をこれまでしてきませんでした。
現状では特別ロットも依頼すればできそうですが、あくまでもスポットになってしまし、同じ小農家などの最高品質の生豆を継続使用するには無理がありそうです。

 その意味で産地を1から開拓したのがタママウンテンです。

コロンビアの使用量も増加し、オズワルド以外の新たな産地開拓の必要に迫られ開拓したのが、ラバテカ、トレド地区のティピカです。この地は古い生産地でティピカが多く残っていました。

タママウンテン名は、FNCに近くの山の名前をブランドとしていただきました。日本はマウンテンとつけたコーヒーが多く、気が引けたのですが一つくらいはいいだろうといただきました。
カツーラも30%程度ある産地で、これをティピカのみに選別するか混ぜるかの選択を迫られましたが、私はこの地方の豆は、品種がブレンドされているほうがいいボディが出ると判断しました。それでもミディアムボディで、力強さはありませんが、もともとクリーンなコーヒーでしたのでティピカ100%にする必要はないと考えました。

このコーヒーとの付き合いももう数年になります。紆余曲折はあるものの、継続は力だと信じています。減産のせいでしょうか、11-12は素晴らしい出来でした。

ティピカ系のきれいな香味、優しくも芯のある香味とでもいうのでしょうか。

オズワルド、タママウンテンと開拓しましたが、それ以外に毎年安定した香味のいいコロンビアには恵まれずにいます。
実際、20年間もコロンビアを追いかけたにも関わらず、コロンビアのいいコーヒーがよくわからなかったのは、コロンビアのFNCやエクスポーターが、堀口珈琲のような先進的な消費国の意見を理解できなかったからだと考えます。

品質やトレサビリティに対する考え方についてこれなかった、もしくはそのような仕組みができていなかったのでしょう。
もっと厳しく言わせてもらえば、コロンビア品種を開発したり、コーヒーに対する自信過剰などが、コーヒーの産地ごとや品種ごとの細分化された香味のプロモーションや開発の遅れをもたらしたと考えます。

 
FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)は数年前からスペシャルティコーヒーへの取り組みを強化しましたが、組織が大きすぎ小回りが利かず、十分な対応がしきれていないと感じます。

現在はいくつかのエクスポーターが独自に産地開発を初めていますので、堀口珈琲はいくつかの先進的な考えを持つエクスポーターとともに新しい産地のコーヒーも開拓しつつあります。

これまでスターバックの独壇場であったナリーニョ地区(現状ではスタバは多くを購入していない、代わりに某社が購入)やその他のカウカ、ウイラ、トリマなどの中南部の生豆をカッピングし続けて、安定供給できるエクスポーターとのつながりを強化しています。

その甲斐あって11-12のナリーニョも販売しますし、今後多くのコロンビアコーヒーを皆様におとどけいたします。コロンビアは腐ってもコロンビアであってほしい。
それが過去20年間コロンビアに明確なコク(ボディ)を求めてきた私の率直な感想です。