パパ日記

コロンビア・オズワルド

オズワルドの豆は、03-04から使用していますのでもう9年使用したことになります。このようなことは、世界的に見ても事例は少ないでしょう。私がパートナーシップという考え方を貫いてきた結果だと思います。

この農園は早い時期から、有機や認証団体の認証を多く得た先進的な農園です。コロンビア国内では有名な農園で、かつ米国でも人気があります。カツーラ、ブルボン、ティピカと3品種が植えられていますが、堀口珈琲では、最も香味の良いティピカを全量購入しています。価格も一番高いですが
ここれを真空パックにし、リーファーコンテナで日本に持ってきています。 

オズワルドとは、2004年に堀口珈琲に来店してくれた時に初めて会いました。確か日比谷あたりで会食しました。翌月の4月にはアトランタのSCAAの大会で会い、CHOPS」というステーキ屋で食事をした記憶があります。このステーキ屋は高級店で、さすがに肉文化の国で「うまい」と感じました。
このとき以来、日本の霜降りよりも米国の肉に関心が向きました。
米国人は日本の神戸牛などをわざわざ食べにくるのに話が逆ですね。
ワインの品揃えもよく、肉は炭焼きで表面が焦げた感じなのですが、また食べたいという欲求がわきだしました。それ以降、米国に行くとステーキとハンバーガーを基本的に食べます。
たまに食べるのでいいんでしょうね。

日本には全米チェーンのルースクリスステーキハウスがあります。
YN
・ストリップ(腰肉を細長くカットした形状のステーキ、パリのビストロで出てくるのもこの形が多い。)の12オンスで7000円以上した記憶があります。量は多いので肉好き向きです。
和牛の場合は当然ですが軽く10.000を超えますよ。

松坂では8000円くらいで、すき焼きを食べることができますが、一人前の量が少ないのは致し方ないでしょうか。肉の追加は我慢です。

肉といえば寺内さんでした。イタリアンの炭火焼の元祖みたいな方で神宮前の店のシェフ時代に何度か食べに行ったことがあります。
その後西麻布の「テラウチ」を開店し、肉が食べたい時に出かけていました。先日閉店になり、新しく二子玉川に「寺内食堂」を開店しています。千歳船橋に店を出してほしかったのですが、タイミングが合わなかったようです。
寺内さんとは長い付き合いで堀口珈琲によく奥様とご一緒にサンドイッチを食べにきてくれました。堀口珈琲のサンドイッチは他のイタリアンのオーナーやシェフにも人気がありますよ。


話がコーヒーからそれすぎました。
コロンビアのティピカの香味は、コーヒーの基本の香味といってもいいでしょう。もはや品種の多くはカツーラやコロンビアやカスティージョでしょうか?
ティピカの生産量は少なく全体の10%もないかもしれません。

産地によりその香味は当然異なり、北部サンタマルタなどはカリブ海気候の影響があるのでしょうか、コクが弱く、グラスの香味が出ます。
サンタンデールのブカラマンガあたりまで下がるとややコクがあるティピカに遭遇します。

さらに中部や南部に行くとティピカのみの選別がされることは極端に少なくなりますのでその香味はまだよくわかりません。

私がこの仕事を始めたころは、カツーラ、コロンビア、ティピカの混在した生豆しかなかったのでコロンビア・スプレモの香味は、
恐ろしいほど常にぶれていました。

コロンビアマイルドという言葉がありますが、何で?と何度裏切られたかわかりません。それなのに未練を残すようなことをしてきたのはこの地にティピカが残っていたからです。
ティピカ至上主義者ではないのですが、まずはこの香味を基本とするというのが私の香味の判断基準なのですから仕方ありません。
こうしないとコーヒーの香味の軸ができませんので、永遠にコーヒーの香味はわからないはずというのが私の考え方です。

コロンビアはマイルドコーヒーの代表とも言われてきましたが、現時点ではグァテマラのアンティグアの方がその地位を確保していると思います。

コロンビアは、地域、品種により香味は大きく異なりその全体像をつかむのはまだまだ至難の状態です。
去20年間、コロンビアコーヒーに対し過度の期待をしすぎたのでしょうか?いやそんなはずはない。必ず他の産地を圧倒するコーヒーがあるはずだと信じてやってきました。

個人的なコロンビアコーヒーのイメージは、酸とコクのバランスがよいコーヒーです。酸は柑橘系、オレンジ、マンダリン、グレープフルーツなど。特殊なコーヒーには、ケニアに近い完熟した果実の酸もあります。

では 中米のコーヒーとの違いは何?と言われれば
酸の質もそうですが、基本的にはコクというしかないでしょう。
アンデスの山々と火山灰土壌、なのですからいいコーヒーができる可能性があると信じています。

現在、世界で最も可能性を秘めた生産地だと考えています。(栽培をきちんとすればですが)
今はまだ全貌が見えませんが、堀口珈琲はその扉をこじ開けていくつもりです。

個人的には、コロンビアの香味の判断基準は、ミディアムボデからフルボディのどこに該当するかをチェックし、味の厚み、濃縮感、複雑さなどの感覚と酸のバランスをみます。


くどくなりました……..。
まずはオズワルドをお通し、コロンビアの在来種である基本の香味をご堪能ください。

続く