パパ日記

コーヒー関連論文1 シェードツリーの効果 及びコスタリカのマイクロミル、さらにはパナマのASD

https://reserva.be/coffeeseminar
9月のセミナーは、テースティング初級に1名の残がありますが他は満席です。
コロナ過ですので、密にならないよう配慮して実施しますが、
キャンセルは受け付けています。

論文の検索はかなり面倒です。
アブストラクト(要旨:Abstract)のみではわからないことが多く、最終的には購入することも多くなります。

ただ、コーヒーの場合は、論文数が膨大過ぎて、絞り込んでいっても自分が探しているものがあるのかどうか?
わからないことが多くあります。

論文を書く段になれば、参考文献として必須になりますが、私の場合は先行研究があまりないので厄介です。
少なくとも日本語の論文は皆無に近いですので、英文で探します。
仮に、先行論文があったとしても、同じようなことを書くわけには行きませんし、同じ視点では書けませんので、
そのあたりの塩梅は難しいといえます。

論文が有料の場合も多く、買ってみなければわからないということもあり、支払いは生じます。
一番安いもので5~10ドル(ユーロ)くらいでしょうか。

 

コスタリカの豆をサンプルローストしていたら、研究者向けのウェブサイトから「こんな論文があるよ」とメールが来て、「ふむふむ」とさわりを読む。

CATIE(コスタリカ)、CIRAD(フランス)、INRA(フランス)の共同研究のようで、コスタリカのcentral valleyにおける「コスタリカ95」という矮小の品種の、直射日光下とシェードツリーの栽培の比較でした。

シェードは45%程度の場合を想定し、その場合18%の生産性を低下させるが、収穫は毎年安定するとしています。
シェードが果実の成熟を遅らせることで、スクリーンサイズと成分組成に影響していると論じています。

主には、スクロース、クロロゲン酸、トリゴネリンの数値の差が生じ、太陽光が強いもとで育った樹は、不完全な成熟を伴い、苦味と渋味を生むとし、さらにシェードは、コーヒーの農園の持続可能性を高め、大きなサイズの豆を生み、品質を向上させ、最終的収益向上に寄与するとしています。

さらっと読み流しながら、コスタリカのマイクロミルの豆を焙煎しています。
white honey、yellow honey、red honey、black honey、naturalがありますが
個人的には、white honeyの精製がよいと思います。
但し、naturalも風味のよいものが多く、生産者の品質への姿勢に敬意を払います。
コスタリカのマイクロミルでは、ティピカ種やSL種が、高い標高産地に適応性があるように感じます。

また、パナマの生産者のようにanaerobicの方向に「右向け右」でいかないところもいいですね。
パナマのanaerobicにもよいものはありますので、パナマの生産者を否定するものではありませんので
誤解なきよう願います。いずれanaerobicについては書く予定です。
今日か、明日だったか?Elida農園のプライベートオークションがあります。
パナマのanaerobicについては、ASD(anaerobic slow dry)と呼ばれます。

パナマの優れたものは、「anaerobic フレーバー」といえますが、
ゲイシャ種のwashedからNaturalにする必要性があるのか?
さらにanaerobicにする必要性があるのか?
については見解が分かれるでしょう。
しかし、優れたゲイシャ種の官能評価の95点(SCA方式)に対し、ゲイシャ種のanaerobicに95点を超える
スコアをつけてよいかについては難しい問題です。