パパ日記

2026-6深煎り焙煎競技会の2深煎り可能な生豆

よい深煎りコーヒーの風味とは、「焦げのない柔らかな苦味の中にかすかな酸味と甘みが残り、複雑なキャラクターを持つコーヒー」で、その風味ニュアンスは「ビターチョコレート、キャラメル、バター、バニラ風味、黒糖、ダークチェリー、カカオニブ、ココア、トースト」などです。

コーヒーの焙煎度に関しては、2020年以降浅煎りのトレンドが脚光を浴びていますが、スペシャルティコーヒーの市場では浅煎りが30%前後、中煎りが40%前後、深煎りが30%程度と推測されます。

浅煎りがメディアに取り上げられることが多くなりましたが、実態は深煎りの市場は大きいと考えられます。そして、2025年前後以降、浅煎りブームからの反転期に入りつつあるように感じます。

焙煎度の嗜好の変化を感じ始めています。「酸味が強くフレッシュで、透明感があるコーヒーや発酵感のあるナチュラルのコーヒーの浅煎り」から「ウォッシュトで旨味と複雑性があり、テクスチャーのある深煎り」の再発見の時代になると推測します。新たに深煎りのトレンドがうまれつつあと考えます。実際、浅煎りのコーヒーは、夏場に清涼飲料で代用できますが、優れた深煎りのコーヒーは習慣性が高くなり浅煎りでは代用できなくなります。

さて、ここで前提になることは、深煎りのコーヒーは簡単にできるわけではなく。密度が高く硬質の豆が必要となります。
密度は、主に標高×気温×土壌×収穫時期の影響を受け、糖、脂質、灰分および果実の成熟速度の影響を受けると考えられます。
また、硬質は、主に栽培管理(シェードツリー、剪定、樹勢)や乾燥工程および豆の保管や輸送条件などの影響を受け、その結果として生成される細胞壁多糖(セルロースその他)が影響をおよぼすと推測されます。

個人的な見解ですが、生豆は
1)高密度×硬質の豆
2)高密度×軟質の豆
3)低密度×硬質の豆
4)低密度×軟質の豆
この中で浅い焙煎から深い焙煎に対応できる豆は1のみになります。高地産で成熟が緩やかとなり、酸味、脂質、ショ糖が残りかつ有機酸が複雑となり、リグニン(植物の細胞壁を構成する主要成分)などが多くなります。
これらの豆はケニア・ニエリ、キリニャガ、エンブ、エチオピア・イルガチェフェ、グァテマラ・アンティグア、コスタリカ・タラス、コロンビア・ナリーニョ、パナマ・ボケテなどがあり、このようなm生豆の中で硬質の豆のみが深煎りで風味表現が可能になります。

難しいのは密度のみではなく硬質の豆が重要だということです。
では、この硬質と軟質をどこで判断すればよいのかは、とても難しく、生豆を取り扱う多くの経験が必要になります。
ここが理解できれば、よいティピカ品種であれば深く焙煎できます。しかし、栽培環境を見れば硬質のティピカ品種は極めて少なく、ここを判断できるかが問われることになります。このことが理解できれば、ゲイシャ品種でも深い焙煎が可能となります。

では、優れたスマトラのウエットハル(スマトラ式精製)や優れたイエメンはどうなの?という疑問が生じます。答えはテイスティングセミナ―などで,機会があればお話しします。

とにかく、日本には歴史的に深煎りの文化があり、絶滅せずに共存しています。コーヒーは、最終的には「酸、複雑性・奥行き・余韻・立体感」が重要で、それは「酸+旨味+甘味+苦味+テクスチャー」で表現されます。

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堀口