パパ日記

大粒のコーヒー豆

粒の大きなコーヒーは見栄えがよく、大き目のほうが価格は高いのが一般的です。
ハワイコナはエクストラファンシー、ブラジルであればS18、コロンビアSP、ケニアAA、タンザニアAAなどはみなサイズの大きい豆となります。
しかし、大きいからといっておいしいか?というと様々です。コーヒーの香味は、品種、栽培、精製、そして気象条件、土壌を含む環境などに影響されます。

さて、大きな粒で、すばらしい豆をご紹介します。
ニカラグアのマラゴジペは、毎年購入していますがすばらしい香味です。
ハイローストの中間ですとやや甘いレモンのきれいな酸(しっかりした酸)が口にひろがります。

本来さまざまな生産国で作られているマラゴジペは、コクのない豆だらけですが、この豆は例外で十分なコクがあります。
したがって、ハイローストのぎりぎり終わりくらいのローストにするといいと思います。勿論シティローストにも耐えられる稀有な豆ですが、2度目のハゼが入るぎりぎりのローストですね。

今後は、今のローストから3秒程度進行したくらいのローストに修正したりもするかもしれません。ローストポイントで香味の表情の変わる豆だと思います。
こんないいマラゴジペは、当方の20年のキャリアの中で最高峰のものです。
世界広といえども、簡単には体験できないでしょう。ぜひお試しください。

 

さらには、パカマラ種も大粒です。
マラゴジペとパカスのハイブリッドでエルサルバドルで開発されました。
堀口珈琲では10年近く前からこの豆に着目し、いち早く日本で販売しました。
この品種にも個人的なこだわりがあります。

この豆に対する個人的な香味のイメージは、シルキーさです。
しかしそのような初体験の香味に簡単にめぐり合うことはなく、何年も追いかけてきました。

今回ガテマラセットで販売している豆は、華やかで甘い果実の酸が口に広がる香味ですばらしいコーヒーです。コクも十分です。
しかし、自分の中のエルサルバドルのパカマラのイメージとはことなり、ガテマラの土壌が生み出した傑出したコーヒーと感じます。

これほどすばらしいコーヒーではありますが、自分のイメージの中にある香味とは異なり、またまたパカマラを探す作業をすることになりそうです。
イメージとは、ブルーマウンテンの最良の香味とパカマラの最良の香味が同じ香味という感覚です。わかりにくいですよね。
でも このような感覚の世界で ずっとこの仕事をしてきました。

ロースト担当には、2度目のハゼの手前と指示しています。
この微妙なローストは難しいのですが、この豆はスイートスポットがやや広めなので2秒程度のぶれは許容されます。