パパ日記

複雑系 サンタカタリーナGR

今朝のコーヒー

グァテマラ A.サンタカタリーナとB.同グランレゼルバ(GR) シティ
標高1600m以上のブルボンと1900mあたりの特別区画の豆です。
サンタカタリーナはGPSでいくつかの区画にわかれています。
初期は1600m以上のブルボンを購入し、数年前から特別な区画を分けて作ってもらっています。この特別のものをグランレゼルバとしています。

 

 

フランスのブルゴーニュのワインは、その村ごとに普通、1級、特級と区画が区分されます。複雑な地形と土壌が交差し、道1本隔てただけで畑の格付けが変わります。
某ソムリエ風にいうと、「修道僧が数百年かけその土をなめながら長い歴史の中で確認してきた」ということになるのでしょう。

 

 

 

私が毎年定点観測も兼ね購入しているワインは、シャンポール・ミュジニー村のドメーヌ(生産者)がグロベール・ロフィエのものです。
普通のものは「ブルゴーニュルージュ」、1級のものは「レ・ザムルーズ」、特級は「ボンヌ・マール」です。需要が多く、コーヒー同様価格の高騰があり入手は厳しい状態です。私は10年以上前からこのワインのみをコンスタントに購入してきていますので若干の枠をもっています。
(堀口珈琲の生豆購入の場合は継続して購入することを基本とし、パートナーとしてお付き合いをしている農園やエクスポーターが多くありますので、優先購入ができる基盤が構築されつつあります。)

 

 
このあたりのコーヒーとワインについては「珈琲と文化」に20年程前から何度か書いてきています。テロワールという言葉も、コーヒー業界では初めて私が使用したと思います。

 

 
サンタカタリーナ農園では、ブルボンがメインですが、若干のカツーラ、パチェも植えられています。したがってブルボンにこれらの品種が混ざったものを「普通」とし、ブルボンのみを「1級」、特別の区画(今回はモンターニュ)を「特級」(仏語ではグランクリュ)と置き換えることも可能でしょう。

 

 

ワインの等級の差による香味の違いは歴然ですが、コーヒーはどうでしょう?
難しいですが、この場で違いを明確にしなければなりません。
サンタカタリーナと同GRは共にフローラルで、柑橘酸としっかりしたコクのバランスの良い香味です。
中米の良質なコーヒーを代表するような基本的な香味ですので、まずはこのブルボンの香味をきちんと確認することは非常に重要です。

香味で何が異なるのか?難しいですが同時に飲んでみると差異が少し見えてきます。
酸はともに温州みかんの甘い酸、コクはしっかりとしたものです。
さめてくるとGRには、複雑な香味が増してくるのがわかります。
このような違いの要素を法則に還元して理解することは困難ですので、最近は複雑系の香味としてとらえるようにしています。これらにはある程度共通した香味があることも最近はわかるようになってきました。もちろん個人的見解ですが…..。

 

 
したがって

A.サンタカタリーナは
酸(柑橘)+甘+コク(4/5)
B.サンタカタリーナGRは
酸(柑橘)+甘+コク(4/5)+ブラックチェリー+黒ブドウ=複雑系となります。
どちらがいいのかはお好み次第でしょう。
しかし、中米のコーヒーの香味の中で、複雑系の香味は例外的となりますので、価値としてはGRの方が高いということになるでしょう。