パパ日記

フレンチローストの幅-4

フレンチローストといってもどのようなローストなのかは定義がある訳ではありません。

日本における大まかなコンセンサスは、
1.2度目のハゼ(豆の殻を破り炭酸ガスが出てくる音)の始まり以降の深い焙煎度合い
2.焙煎豆の色がミルクチョコレートよりビターチョコレートに近い色
3.焙煎温度は目安でしかなくあまりあてにならない
などですが、各社、各店により外見、定義などは異なり香味も様々です。

 

 

 

今少し具体的にみると
1.2度目のハゼのピーク前後から終盤近くくらいまで焙煎には幅があります
2.焙煎機の構造(直火、半熱風、熱風)、排気の性能や操作で豆の色には幅が出ます
3.規模の大きなロースターは色差計(黒を0、白を100としその間の明度をL値に置き換える)で色を管理していますが、中小規模および自家焙煎店は色、ハゼ音、温度計などで総合的に判断しています。
一般的にはフレンチはL値18~19(ミディアムはL値23~24程度)ですが色差計により異なります。

 

 

 

香味での判断も様々です。
この焙煎は、現在のヨーロッパにはほとんどありません。
米国ではスターバックス、ピーツコーヒー、イタリア系のロースターなどは深い焙煎のコーヒーが多くなり、サードウエーブ系ではこのような焙煎はほとんどなくミディアムより浅くものさえあります。

 

 

 

日本では独特のアイスコーヒー飲用の文化があるからかもしれませんが、フレンチにある程度の認知があり様々な会社や店が焙煎しています。

 

 

 

日本人が最もコーヒーの焙煎度合いの違うコーヒーの香味を楽しんでいると感じます。
お客様は、「酸っぱい」酸化したような香味を嫌います。これは劣化した味です。
よいコーヒーの酸は「明るい酸、華やかな酸」で、それらと区別することはできます。
しかし優れたコーヒーにはさらに明確で多様な質の酸があり、フレンチローストの濃厚さの中にもかすかな酸を感じさせて素晴らしい香味を構成します。

 

 

 

例えば、グァテマラ・アンティグアのやコロンビア・ナリーニョ等のなかにフレンチローストにしても産地の香味を主張するポテンシャルの高い生豆があります。
勿論スマトラやケニアや他の産地にもごく限られた生豆があります。

ここにコーヒーの香味の醍醐味があるということを理解できますし、堀口珈琲の求めるコーヒーの原点もあります。
但し、このローストが難しいのは前述したとおりです。