パパ日記

スペシャルティコーヒの2極化-9

スペシャルティコーヒーの生産量も増加し マーケットが拡大していくなかで、その品質や香味に大きな差も生じ始めてきました。
従来はスペシャルティとコマーシャルという区分でコーヒーを見てきましたが、最近はハイエンドのスペシャルティと普通のスペシャルティと2極化が進行しているように感じます。

 

 
ハイエンドのスペシャルティは生産量も少なく、より特徴的な香味を持つものが多く、生豆価格にも大きな違いが生まれています。
伝統的に優れた品質を生み出す農園、優れたテロワール、特殊な品種や在来系の品種、厳選されたマイクロミル、小農家など多様なコーヒーが作られています。

 

 

これらはスペシャルティコーヒーマーケットの成熟を意味し、その違いを理解できるような輸出会社、輸入会社、ロースターなどが増えたことも意味します。
ただし、スペシャルティコーヒーマーケットの中で、ハイエンドのシェアがどの程度あるのか?は全くデータがありません。

 

 

 

ブルゴーニュのワインでいえば、大きく区分するとグランクリュ(特級)、プルミエクリュ(一級)、コミューン(村名)で夫々の生産量比率は1%、10%、20%でグランクリュとプルミエクリュを合わせても10%程度です。
さらに広域で見れば地区(コートドニュイ、コートドボーヌなど)、地域(ブルゴーニュ全域)となり、コーヒーに例えればプルミエくらいはスペシャルティに該当するとみてよいでしょう。これらの価格は高く、香味も突出しています。

 

 

 
例えば、当社のサンタカタリーナ農園であれば、特別の区画のグランレゼルバはグランクリュに、その他のブルボンはプルミエクリュに、アンティグア産がコミューンくらいに該当するかもしれません。
アンティグアはグァテマラでも優れたコーヒーがとれる生産地で中でもサンタカタリーナは突出した農園といえるだからです。

 

 
ボルドーの場合は、1級から5級までのシャトーが1855年に格付けされ、60のシャトーがあります。1級の5大シャトーは素晴らしい香味ですがそれ以外は必ずしも香味の序列を示すとは限りませんので厄介です。
シャトー名のないものやその他のワインも多くあり、単一品種のブルゴーニュのように香味による区分は困難です。
また他の第三世界の生産国でも、ボルドータイプのワインはある程度優れた香味のものも誕生していますので、コーヒーに当てはめるには難しい面があります。
ボルドーワインは、カベルネソービニヨン、フラン、メルーローのブレンドですので、コーヒーと比較する場合はブレンドという概念でとらえるのが良いでしょう。

 

 

 

ハイエンドのスペシャルティコーヒーは、スペシャルティコーヒーの中でもごくわずかだと思いますが、堀口珈琲の大部分は、生豆の価格、品質、香味の観点からみてハイエンドのスペシャルティに該当すると考えます。

 

 

 
例えば、ケニアのファクトリーのコーヒー、イルガチェフェのG-1のコーヒーは、世界のスペシャルティコーヒーマーケットで人気がありますが、すべてが良いわけではありません。
それらの中で、最高峰の生豆を安定して調達できるようになるには、それなりの購買の歴史、購買量、様々な失敗の経験、香味のテースティング力などが蓄積され完成されるものです。
それなりの執着心、愛情がなければ、最高峰の生豆を確保できません。

 

 

これらの豆は、生産量は少なく生豆価格も高くなり、世界を見渡しても買える会社は限られてきます。堀口珈琲では、様々なハイエンドスペシャルティコーヒーを扱っていますので、様々な香味のコーヒーをお楽しみいただけると思います。
現在伊勢丹で販売している9のブレンドも、これらのコーヒーを使用して作っています。