パパ日記

ワインと日本酒とコーヒー-1

その昔、「シュバリエ」(輸入商)さんのワインセミナーによく通いました。
細かく刻んだ10種以上の果実と白ワインの味を比較するなど実践的でかつ特殊なトレーニングが多く参考になりました。赤ワインなどは、その場で抜栓したもの、抜栓後頭切り(空気に触れていたところ30ccを除く)したもの、2時間前に抜栓したもの、デキャンタしたものを比べたり、同じワインでも輸入商社の異なるもの(流通プロセスの差)の違いなど、通常のワインスクールでは行わないことをかなり体験しました。

 

 

 

しかし、根本的にはそのワインがいつ開くのか?(香味がピークになるのか?)、いつまでもちそうか?(長期保管できるのか?)などが最も重要なことで、これはそのままコーヒーの生豆にもあてはまります。
生豆は、1年近く保管するものもあり、ダメージの出ないうちに販売する必要がありますので、上原店の官能評価はそのような観点からも行われます。
しかし、これは生豆を自ら購入していかないとわからない高度なスキルとなります。
10年以上の取引の中で、多くの失敗を繰り返して蓄積された堀口珈琲の特殊なノウハウともいえるでしょう。

 

 

 

ワインボトルのラベルにはアルコール度数が記されていますが、シュバリエさんのワインカタログには、アルコール度数と一部に総酸量が書かれています。(%/1l)
テースティングの観点からいえばアルコールは甘味物質であるブドウ糖と同じような甘みも呈します。
また総酸量(一般的には酒石酸、リンゴ酸、乳酸など)が高いほどワインに引き締まった印象を与えます。
シュバリエでは、この2つ軸からワインの香味を大まかにアルコール%-総酸量= という式で予測しています。
13.5%-5g/1l=8.5で太ったワイン

13.0%-8g/1l=5.0スリムなワイン

官能評価では、6.5~7.5を中間的な味わいとしています。
、ただし、一般的には、ワインの酸度は総量ではなくブドウ特有の酒石酸の量で見ることが多く、0.4~0.7g/mlで、PHは3~4程度です。

 

 

 
しかし、ワインのラベルにはアルコール度数しか表示はありませんので一般的にはこの目安が使えることはほとんどありません。また、ワインには糖分、渋味、苦味などの様々な味の成分が含まれていますのでこの指標もあくまで目安でしかなく、外見上の判断(色、粘性等)および官能評価は重要となります。

 

 

 

 

また、単純な2軸としては、酸とボディという観点からもある程度は香味を把握できます。
酸はわかりやすいでしょうが、ボディはグラスを傾けてワインの流れの後などがグラスにつけば粘性(ボディ)があるというように判断します。
酸とボディがしっかりしていればフルボディということになるでしょうが、この飲み頃は10年先になってしまうかもしれません。

 

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日本酒はほとんど飲みませんが、日本酒のラベルには、アルコール度数以外に日本酒度と酸度が書いてある場合もあります。
日本酒度は専用の比重計でブドウ糖濃度を測ります。
これが辛口、甘口の目安になります。
糖分が多ければマイナスになり甘口、少なければプラスになり辛口ということです。
+6.0以上が大辛口、普通は-1.4から+1.4、-6.0以上が大甘口という基準値が作られています。
今一つの酸度は、乳酸,コハク酸、リンゴ酸などの総量です。

 

 

 

 

総酸量が多いから酸っぱいとは言いきれず、有機酸の組成によります。
昨年はかなりいちごのテースティングをしてきましたが、基本的には酸と甘味で判断するしかありません。甘みは蔗糖(最近は蔗糖ではないような甘味も感じるものもある)で、その糖度で決まりますが、酸味は有機酸の総量や組成が異なり、いちごの味の違いを生み出していると思います。

 

 
ただ、多くの果実やワイン、日本酒にいえることですが、酸は味を引き締めますので酸がないとぼやけた味になります。コーヒーも同じです。
酸度が高く日本酒度が高いと濃厚で辛口というところでしょうか?
しかし、日本酒の酸度は比較的低い数値ですので官能的判断は微妙に難しいかもしれません。
この2つの軸で味の大まかな香味のバランスを見ることもでき、日本酒の味をある程度細分化することはできますが、目安としてみ他方がよいでしょう。

 

 

 

私は日本酒を寿司屋でたまに飲むくらいで、日本酒のテースティングは全くできません。
最近の寿司屋はワインを置く店が増えているように思いますが、寿司屋でワインを飲む気にはなりません。

 

 

さてコーヒーはどのように見ればよいでしょう……..。

続く