パパ日記

日本のコーヒー市場

日本のコーヒーはレギュラー、缶、インスタントコーヒーからなり、とりわけ缶コーヒー(工業用)のシェアが多く、世界的には特殊な構造です。
レギュラーコーヒー以外のインスタント、工業用で全体の50%以上を超えます。

 

 
これらのコーヒーは価格的に高品質生豆の使用は難しく、低価格のアラビカやそれ以上に価格の安いロブスタの使用比率も増します。
特に、ロブスタの生産量はベトナム及びブラジルのコニロン等の生産量の増加がみられ
アジア圏を中心とした世界的な消費拡大の中でその消費も拡大しています。
日本も例外ではなく、全体的な品質は低下傾向にあるように思えます。
私の開業した1990年はアラビカとロブスタの生産比率は、アラビカ70%、ロブスタ30%でしたので、現在のレギュラーコーヒーは全体としてはまずくなっているとも考えられます。

 

 

 

他方、スペシャルティコーヒーは、2000年後半から徐々に市場に出回り、2010年代に入り高品質コーヒーの認知が拡大しつつあるようにも感じます。
サードウエーブ、シングルオリジン、ハンドドリップ、ダイレクトトレードなど新しい言葉が使用され、多くのコーヒー関係者が、コーヒーのテースティングコメントを発信するような時代になりました。
しかし、この高品質コであるスペシャルティコーヒーも明確に説明している事例は少なく、テースティングコメントも曖昧で消費者を混乱させているように思います。

 

 
「コーヒーは果実の香味がある」は間違いではありませんが、優れた香味はそれのみではなく、酸とコクのバランスで成り立つのがコーヒーです。
ベリー、ピーチ、オレンジなどと単に単語でコメントしているだけの表現でそのコーヒーが理解できるはずはなく、「私はそのように感じられない」という消費者の混乱を助長させているともいえるでしょう。
「明るい酸があり、心地よいコク、飲んだ後に甘い味が残る」良いコーヒーですね。
と全体像をコメントできることの方が優れたテースターであるはずです。

 

 

 

日本のコーヒーは、スペシャルティコーヒー、コマーシャルコーヒー、ローグレードコーヒーなどに区分され、それらがそれぞれの市場を形成しています。
もし、コーヒーの香味を理解したいということであれば、よいコーヒーを体験することが一番の近道です。
これまで主観的に「おいしい」「まずい」と主観的に感じていたコーヒーに対し、少しずつ香味の良し悪しを客観的に判断できるようになるはずです。
コーヒーは嗜好品ですが、「おいしい、まずい」という概念から「よい、悪い」と区別することを意識することから始めれば、よい品質のコーヒーのなかにこそ「おいしさ」を感じるということが理解できるようになると思います。
コーヒーの味覚は、このように開発されていくはずです。
堀口珈琲はそのためのガイドでもあります。
表1

レギュラー 75% 
業務用 31.4%  2012に対し22%増 コンビニ増
家庭用32.3%  2012に対し12%増 簡易ドリップ増
工業用36.3%
インスタント 25%

 

表2

生産      アラビカ     ロブスタ
特長      酸がある    酸がない、重い
生産国     中南米その他    ベトナム
価格      高い       安い
1995年     70%     30%
2015年     55%     45%