パパ日記

ワインと日本酒とコーヒー-2

ケニアの「カラツのフレンチ」を飲みましたが、その香り、味わいはミディアムローストの華やかさとは別世界で、ボルドーの優れたシャトーの香味の開いた素晴らしいワインのようです。
これは典型的なケニアフレーバーの一つです。
粉の量を多めにすれば、かなり雑に抽出しても「ケニアフレーバー」のインパクトを体験できます。
30gを2分で300g抽出しています。
 

 

 

また、コロンビアの「ラ・チョレラ」は、ペルーに次ぎ今年2度目の衝撃的な香味でした。
フレグランスはブドウのような甘い香り、コーヒーはオレンジ、伊予柑などの甘い酸がメインのすばらしいコーヒーです。現時点でのウイラの最高峰ではないかと思わせるに十分です。
シティでも華やかなみかんジュースのような香味が強く残るのですから驚きです。
25gを2分30秒で260g抽出しています。

 

 

 

さてワイン日本酒に続きコーヒーは、どのようにとらえればよいのでしょう。
官能評価は、SCAAなどの評価方法があり世界的に広まりつつあります。
しかし、2000年代に普及したスペシャルティコーヒーも2010年代に入り様々なイノベーションが行われつつあり、第2ラウンドに入っていると感じます。
反面、サードウエーブという曖昧な情報が瞬く間に世界中に広がり、未熟な価値の共有化と画一化をもたらしています。これらはコーヒー市場の拡大には寄与するものの、曖昧さも生み出しているように感じます。

 

 

 

すでに、第2ラウンドでは品質の向上、価格の高騰化という流れの中でスペシャルティコーヒーの2極化を生み出しています。
従来のコンテストなどには関係なく、ハイエンドのスペシャルティコーヒーが生産され流通する時代になっているわけです。
これらは、10年以上の歴史の中で、生産者と消費国のトレーダーやロースターが協調して生み出して来たといえるでしょう。

 

 
ケニアなどの優れたファクトリーの生豆は、あまりにも価格が高騰し購入できるトレーダーやロースターは世界的にもかなり限られるのが現実です。
コロンビアも、小ロットが増え、より個性的なコーヒーが誕生していますが、生産量の少なさや価格の高さゆえごく一部のロースターしか購入することはできません。
これらのことは、スペシャルティコーヒーを扱っているといいながらも最高峰の香味がわからないコーヒー関係者が多くなることも意味し、評価のコンセンサスが形成されにくくなる側面を持つことにもつながります。
現状のカッピングフォームの評価方法では、スペシャルティコーヒーの進化に対応できなくなりつつあるように長い間感じてきました。

 

 

 

これまで90点を積極的に付けることをしてきませんでしたが、上記のようなコーヒーに90点以上を付けないと他のコーヒーとの違いを明確にできなくなっています。
しかし、このような評価の世界的なコンセンサスは、まだまだ難しいとは思います。
理由は単純で、80~84、85から89点のコーヒーの評価体験数が多くないのに、90点はつけられないのです。

続く