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焙煎度で味わいが変わる!〜自分好みの味を知ろう〜

焙煎度で味わいが変わる!〜自分好みの味を知ろう〜

「浅煎り」「深煎り」「シティロースト」「フレンチロースト」……

コーヒー専門店に行くと見かけるこの言葉。

 

聞いたことはあるけど、その言葉の意味や、焙煎度によって味わいが異なることを知らなかった、という方も多いのではないでしょうか。

 

焙煎度を理解すれば、味わいの違いがわかり、自分好みのコーヒーを見つけやすくなります。

ぜひこの記事を参考にして自分好みの味わいを探してみてください。

“焙煎”とは生豆を加熱すること

 

焙煎。その字の通り、あぶり、熱すること。
コーヒーの豆の焙煎は、生豆を乾煎りして加熱する工程のことをいいます。

 

 

焙煎する理由

私たちが普段楽しんでいる飲み物のコーヒーの風味は焙煎することで初めて生まれます。また、焙煎すると豆はもろくなるので、細かく砕いて粉状にしやすくもなります。

 

焙煎によって起こる変化

焙煎することで、コーヒー豆にはさまざまな変化が起こりますが、ここではまず「見た目」の変化についてご紹介します。コーヒー生豆はもともと淡緑色ですが、熱を加えていくと色付いていきます。その色は、黄色から明るい茶色、こげ茶、さらには黒色へと変化していきます。

 

焙煎度とは加熱の程度を示す指標

 

焙煎を進めていくことで見た目の色が変化していくとお伝えしましたが、加熱の程度を示す指標のことを“焙煎度”といいます。豆にどれぐらいの量の熱を加えるのか(一般的には、どれぐらいの時間焙煎するのか)を意味するととらえればよいでしょう。焙煎度を上げることを「焙煎を深くする」と表現します。一般的に、焙煎が「浅い」と豆の色は明るく、「深い」と暗いという対応関係があります。

 

焙煎度の名称

日本では焙煎度を8段階に分けて表現することが一般的です。浅煎りから順に、ライトロースト、シナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストとなっています。

 

「●●ロースト」と表現する以外にも「浅煎り」「中煎り」「中深煎り」「深煎り」などと表現することもあります。

 

ただし、この呼称はあくまでも焙煎度を示す目安でしかありません。というのも、この呼称は作り手の主観によって名付けられるため、お店によっても違いがあります。たとえば、ある店でのフルシティローストが他店のフレンチロースト以上に深煎りだった、ということもなくはないのです。

 

 呼称の語源

先ほど、「日本では」と伝えましたが、この「●●ロースト」という呼称はアメリカでの呼称に由来しているため、ここでもご紹介しておきます。

 

浅煎りから順にLight, Cinnamon, Medium, Medium high, City, Full City, French (Dark), Italian (Heavy) です。アメリカにはLightとCinnamonの中間に “New England”, Full CityとFrenchの中間に“Viennese”もしくは“Continental”、Italianより深煎りを“Spanish”という呼称もあります。

 

 

焙煎度と味わいの関係

コーヒーの味は焙煎度によって大きく変わります。一般的にどんなコーヒーでも焙煎度を下げる(浅煎りにする)と苦味が弱めで酸味が強く、焙煎度を上げる(深煎りにする)と酸味が弱めでに苦味が強くなっていく傾向があります。

 

浅い焙煎の特徴

味だけでなく香りや口当たりにも違いがあります。一般的に焙煎度の浅いコーヒーにはナッツやハーブのような香りがあり、一部の銘柄や品質の高いものには花や果実のような香りがします。口当たりは軽く、酸味と相まって渋みを感じることもあります。

 

深い焙煎の特徴

焙煎度が深くなるにつれ、香りも濃厚になっていきます。例えばキャラメルやチョコレートなどの甘さを連想するものが考えられます。口当たりは滑らかさや濃厚さを感じられるでしょう。

 

コーヒーを買おうと思った時には、自分が浅い焙煎の味わいが好きなのか、深い焙煎の味わいが好きなのかを知るところから始めるのがおすすめです。

 

焙煎度のQ&A

 

ここまで焙煎度についてご説明してきましたが、お客様からよくいただく質問をご紹介します。

 

Q.1 焙煎度が深いと、豆が黒くテカテカするのはなぜ?

 

A.それはコーヒーの油です。

コーヒー豆に含まれていた脂質が表面に出てきたことを示しています。焙煎すると豆の中に二酸化炭素が発生するのですが、焙煎が深くなればなるほどその量は増えます。この二酸化炭素には豆に含まれていた油脂を表面に押し出す力があります。つまり、焙煎度が深いと油が表面に出やすいのです。焙煎中から油が滲み出ることもありますし、焙煎後しばらく経ってから滲み出てくる場合もあります。コーヒーの油は比較的、長期間変化することはないので「劣化」が早くなるということではありませんのでご安心を。味への影響も特にありませんので、そのまま使用して大丈夫です。

 

Q.2 焙煎度によって変化することは他に何があるの?

 

A.重さ、大きさ、密度も変わります。

色の違いほどの大きな変化があるわけではないですが、豆の重量や体積も焙煎によって変わります。まず、重量は焙煎が深くなるにつれて減っていきます。その一番の原因は、生豆に含まれていた水分が蒸発することです。

次に豆の大きさです。焙煎が進むほど豆は大きくなります。焙煎が始まると、豆自体の温度が上がり始め、いろいろな化学変化が起こり始めます。その過程で水蒸気や二酸化炭素もつくられますが、これらの“ガス”が豆の内部の圧力を上げ、豆を膨らませていくのです。

最後に密度ですが、焙煎度が深くなるにつれて豆の重量が減るのに加え、体積は増えていくので、密度は低くなります。

 

 

 

まとめ

 

“焙煎度”によって、味だけでなく、香りや口当たりの違いがあることがわかりましたね。

一般的にどんなコーヒーでも浅煎りだと苦味が弱めで酸味が強く、深煎りだと酸味が弱めでに苦味が強くなっていきます。このことをまずは理解し、さまざまな焙煎度のコーヒーを飲んで、お好みの味を探してみてください。

 

 

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