パパ日記

コーヒーの旨味(UMAMI)とアミノ酸

https://reserva.be/coffeeseminar  セミナーサイトです

テイスティングセミナーでは、約20年近く官能評価はSCA方式の10項もく100点満点で行ってきましたが、

現在は簡略した5項目50点満点の方式で行っています。
Aroma、Acidity、Body、Clean、Sweetness(ナチュラルはFermentation)です。
SCA方式との点数の相関をとり作成しましたので、SCA80点が35点、SCA85点が40点に相当します。

 

しかし、SCAの官能評価表はアメリカ人がつくっつたもので、旨味(UMAMI)の項目がありません。
日本の食品の官能評価で旨味と苦味は当たり前にある項目ですので、何らかの対応が必要と数年前から検討してきました。

昨年から、高額の機器であるLC/MS(速液体クロマトグラフィに質量分析がついた機器)の使用を初めましたので、今年の研究ではコーヒーの旨味の分析をする予定です。
複雑な機械で、細かな分析が可能となり、世界中の研究機関で使用されていますが、分析結果が複雑になり、逆に本質が見えにくくなる傾向もあります。そのため、学会の発表でも「このような傾向がある」「これが分析結果です」で完了してしまい、コーヒーの場合成分が複雑すぎて、そこから先の考察が極めて難しいのが実情です。

最終的には、官能評価に旨味(UMAMI)の項目を入れたいと考えていますので、旨味の感知のトレーニングを
始める予定です。
生豆に含まれるアミノ酸は2%程度ですが、焙煎で98~99%程度消失することはこれまでの分析で分かっています。
グルタミン酸が減少し、アスパラギン酸、アラニンなどの組成が増します。

そこで、各アミノ酸の閾値から水溶液を作り、パネルの感知能力を測ることから始めます。
そのため、テイスティング中級参加者には実験台になっていただきますので、よろしくお願いします。
ここを経由しませんと、コーヒーの旨味の評価基準が作れませんので、今年はこれに取り組みます。

 

同時に有機酸についても同時に行います。
最近は、クエン酸以外に、リンゴ酸とか酒石酸とか述べる方がブラジルその他海外でみられますが、
かなりいい加減と感じています。
そんなに簡単に有機酸の組成を感知することはできませんので、こちらもきちんと分析していく予定です。