パパ日記

コーヒーの品種 ロブスタ種の現況ー1

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ロブスタ種(コフィアカネフォーラ種)の生産量は、私がコーヒーの仕事を始めた1990年にはコーヒー生産量の30%程度でしたが、現在は40%に増加しています。
さらに増加傾向にあります。

イタリアを中心にロブスタコーヒーを使用している文化圏がそれだけ大きいことを意味しますし、
東南アジアの消費拡大もロブスタ種の生産に影響しているでしょうし、
世界的な価格競争による低価格コーヒー市場の需要が増加しているからともいえます。
また、カフェインがアラビカ種の2倍含まれますので、そのような観点からの需要も考えられます。

 

ロブスタ種は、総酸量、ショ糖量はアラビカ種より少なく、
同じコーヒーといってもアラビカ種とロブスタ種は、種は同じでも風味は大きく異なります。
ロブスタ種の風味は、酸味が少なく、焦げた麦茶のようで、苦味や濁り感があり、全体としては重い風味です。

日本では、工業用製品である缶コーヒーに使用されますし、
コーヒーエキスがペットボトルコーヒーにも多く使用されますので、
コーヒー生豆輸入量の40%程度はロブスタ種が占めています。厳密に調査すれば、もっと多いかもしれません。
また、レギュラーコーヒーでも、アラビカ種にブレンドされ低価格コーヒーとしても流通していますので、喫茶店、ホテルその他様々な飲用場所でロブスタ種の風味がみられます。

 

このような状況下で、最近WCRは、ロブスタ種育種プログラムなど、ロブスタ種に関する取り組みを深めています。
その一環として、ロブスタ種の品種カタログを、収量、樹高、豆のサイズ、害虫や病気に対する適応性などから作成しています。
これらは、WCRの科学者といくつかのコーヒー研究機関と提携して開発されています。
ロブスタ種の、品質向上に役立てたいのでしょう。

また、CQIは、新たなロブスタ種用の官能評価表を作成していますし、農家の支援にも目を向けています。
最近は、ファインロブといい、やや標高の高い地区で、丁寧な乾燥をしたものが作られ、従来のロブスタ種よりはきれいで濁りは減りますがあまりに少量です。

味覚センサーにかけたもの。(2023年)
ウガンダ、グァテマラに比べ、他は酸味が弱い。
AP1はインドネシアのナチュラル、WIBはウォシュド。

 

一方、消費国においては、Lavazza がイタリアの Lavazza イノベーション センターで主催したイベントには多くのロブスタ バイヤー集結しています。
Strauss Coffee、Tchibo、Keurig Dr Pepper、Mercon Coffee Group、JDE Peet’s、DR Wakefield、Coffee Circle などの巨大企業が参加しています。ロブスタ種の生産がなければ、世界の消費市場を維持できないからでしょう。

 

ロブスタ使用文化圏から見れば、「供給不足、農家の減少」などアラビカ種と同じような状況です。「品質の一貫性」も問題ですし、気候変動もアラビカ種同様受けることが予測されています。

したがって、この仕事を始めた時には、根本的にはアラビカ種とロブスタ種は異なる飲み物としてとらえてきました。
しかし、ここまでロブスタ種の生産が増加すると、消費市場でコーヒーは2種からなるということをより明確にしていく必要があると感じています。

市場においても、「アラビカ種とロブスタ種は異なり」、「アラビカ種の中のスペシャルティとコマーシャルとは異なる」ということが明確になり、品質による区分明らかになることが重要と考えます。