パパ日記

日本食品保蔵科学会・学会発表 琉球大学

https://reserva.be/coffeesemhinar

日本食品保蔵科学会の学会が6月30日に沖縄の琉球大学であります。
これまで、学会発表で様々な大学に行きましたが、琉球大は学内に信号があるようなが広大な敷地です。

要旨の締め切りが26日でしたので投稿しました。
「有機酸とアミノ酸がスペシャルティコーヒーの風味に与える影響」というタイトルです。
この内容は2024年に学生にテーマを与えて分析を行ったもので、完成度が高く十分学会発表できる内容でしたので、今回私が発表します。
最近はグーグルフォームでの提出になっています。

 

要旨略

[方法] SPの中でも官能的に高い評価を受けることが多いパナマ産ゲイシャ種、グアテマラ産パカマラ種、ケニア産SL種、さらにコロンビア産ティピカ種、ブラジル産ブルボン種の5つの風味が異なる品種について2022-2023収穫年産のものを実験試料として選定した。分析項目として、官能評価との相関性が高いpH、滴定酸度また味覚センサーでのacidity、body、umami、bitternessを測定した。さらに、LC/MSを使用し、アミノ酸と有機酸を分析した

[結果]我々の先行研究では、SPの風味に大きな影響を与える酸味は、主にクエン酸をベースに、酢酸、リンゴ酸などと考えられ、さわやかな柑橘果実の酸味を特徴としていた。さらに、アミノ酸の中のグルタミン酸も大きな役割を果たしていると考えられた。しかし、官能評価の高いケニア産SL品種、、グァテマラ産パカマラ品種、パナマ産ゲイシャ品種の華やかな果実感の要因まではわからなかった。本分析の結果、SL品種およびパカマラ品種は、クエン酸をベースにグリコール酸の関与が大きいと考えられ、ゲイシャ品種はクエン酸、グリコール酸以外にリンゴ酸の影響が大きいと推測された。すぐれたコーヒーが生み出す華やかな果実の酸味は、有機酸の組成によるところが大きいことが明らかとなった。また、アミノ酸のグルタミンも風味に大きく影響している可能性が示唆された。

LC/MS=液体クロマトグラフィー質量分析機