3月のテイスティングセミナーは、コロンビアを予定しています。
「スペシャルティコーヒーのテイスティング」(2024年旭屋出版)には各産地と品種の風味をまとめてありますので参照してください。
コロンビアは、ブラジル、ベトナムに次いで世界第3位の生産国ですが、価格がブラジルより高く、日本での消費量はやや減る傾向にあります。
現在3月セミナーのため、今年のニュークロップ(2025-2crop)をサンプリング中です。コロンビアは、北部のマクダレナ、サンタンデール、中部のクンディナマルカ、トリマ、南部のカウカ、ウイラ、ナリーニョなど多くの生産地があり風味も多様です。
コロンビアの品種は、カチモール品種系のカスティージョ品種がメインとなり、カツーラ品種やティピカ品種は減少方向にあります。
カスティージョ品種は、栽培地域ごとの適性に合わせてクローンの違う苗木が導入されています。FNC(コロンビア生産者連合会)は、風味がよいと言っていますが、1600m以上の標高の高い産地ではカツーラ品種の方が風味がよいと感じます。
その他カチモール系のコロンビア品種、特殊な品種としてピンクブルボン、タビ、マラゴッぺなどがあり、エクアドル産のシドラなどもごく一部植えられています。
このあたりの品種×栽培県×標高などの風味差を確認できれば、コロンビアのテイスティングを行う意味があると考えます。
日本の生豆輸入量は、比較的価格の安いブラジルの輸入量が最大で全体の約40%、ベトナムが26%でこの2か国で67%程度を占めています。さらに、インドネシア産、ウガンダ産のロブスタ種などを含めれば、70%を占めます。(ブラジルのロブスタ種の生産量は30%ありますが、日本輸入は主にアラビカ種です)
さらに、各生産国の品種を見れば、カチモール品種(アラビカとロブスタ種の交雑種であるハイブリッドチモール品種とカツーラ品種の交雑種)も世界的に増加しています。
例えば、コロンビアのカスティージョ品種やコロンビア品種もカチモール系品種となりますし、中米でもカチモール系品種であるサルチモール品種が増加し、ケニアでもルイルイレブンなどのカチモール系品種が増加しています。
さらにアジア圏の多くの生産国の品種は、ロブスタ種とカチモール系が中心となっています。こうしてみると、いまや在来系の伝統品種であるティピカ品種やブルボン品種は限りなく少なくなっていることに気づきます。ブルボン品種などは、希少化が進んでいます。
ロブスタ種やカチモール品種は耐病性があり、生産性が高く、比較的価格が安めのため、コーヒー産業にとっては必要ではありますが、伝統品種に比べ風味が劣る傾向があります。
ロブスタの生産量比率は、1990年の30%から現在は40~45%程度に増加しています。このことは、世界のコーヒー産業全体の風味のアベレージが低下していることを示唆します。
一部にスペシャルティコーヒーと言われる高品質コーヒーもありますが、それらのコーヒーもカチモール品種などの混在が目立つようになり、年々風味の低下を感じています。ケニアのSL品種などにはカチモール系品種の混在が見られ、個人的に危惧しています。
こうしてみると、25年続いたスペシャルティコーヒーの時代は、大きな転換期を迎えているのではないかと、危機感を禁じえません。

ナリーニョ県 サンタンデール県
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