パパ日記

リオクリスタルとDRCのワイン

今朝のコーヒー
パナマ・コトワ リオクリスタルのゲイシャ種(ウオッシュト)
100gを30gで2回 25gで1回 18gで1回s抽出。
このゲイシャが他のゲイシャと異なる点はコクにあります。
今日はやや細かめに挽き、18gで150g抽出しましたが、ローストから6日目くらい経過し状態がよくなってきています。日本の甘いミカンなどの柑橘の甘い酸にカシスやフランボアーズのジャムのような濃い味も隠れています。抽出の仕方でその香味の表情はかわりますので複雑な味のコーヒーといえます。

今少し深くローストしてもいいでしょうし、今少し浅くローストしてもいいでしょう。
多様な香味が愉しめます。

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日本のビンテージのカップ

ワインですと、DRC(ドメーヌドロマネコンテ)を例に上げればいいでしょう。
フランスのブルゴーニュのボーヌ村にある醸造所で、ロマネコンテ、ラ・ターシュ、リシューブル、グランエシュゾーなどの畑があります。
ロマネコンテの価格は高く、投機対象にもなるようなもので、1一本200万円前後はするでしょう。
ブルゴーニュ好きは、このワインを飲むまでにDRC社のラ・ターシュやグランエシュゾー(20~80万くらい)をのみ最後にロマネコンテにたどり着きたいと考えます。
しかし、現実にはラターシュでさえ高くて飲めないので、50ccを4万円で飲むワイン会などもあるくらいです。このDRCのワインは、他の畑にはない独特の味わいがあります。

 

 

私は幸い何本かのDRCを飲みましたので、死ぬまでにはロマネコンテを開けたいと考えていますができるのでしょうか?
ワインの状態も重要ですので、外れると200万をどぶに捨てることになります。
このDRCの独特の味を、私は「味の素」という表現をしますが、グルタミン酸のような甘い旨みがあります。
これらの香味は、熟成した優れた生産者である、ルーミエ、ルロワ、デュガなど多くのブルゴーニュワインにもあるのですが、DRCはやはり特別で、微妙に違う個性があります。
これを一度体験してしまうと、ブルゴーニュワインの深い闇の中を旅する迷い人になってしまいます。
したがって、私は素晴らしい生産者であるグロフィエのワインを毎年購入し、もう10年飲み続けています。予め輸入商社に依頼して購入していますが、最近はこのワインでさえ確保することは困難になりつつあります。

 

 

ブルゴーニュのピノノワールというブドウ品種は、近年はフランス以外でも栽培されています。
米国のオレゴン、オーストラリア、ニュージランドなどでも優れたワインが作られますが、根本的に異なる点は熟成したときの香味です。
ボルドーのワインは、フランス以外の国のワインで代用できますが、ブルゴーニュのワインのコクのある熟成した香味は他の国のワインでは味わえないと考えます。
私が、テロワール主義者である根本がここにあります。

 

 

リオクリスタルは、パナマのゲイシャ種です。
ゲイシャは、エスメラルダ農園で栽培され、その後パナマの他の農園に、そして2000年後半以降はコスタリカやコロンビアにも植えられました。
しかし、リオクリスタルは、パナマのエスメラルダ農園や他の国のゲイシャとも香味は異なります。
これはテロワールという概念でとらえます。

 

香味の微差は、土壌の窒素、カリ、マグネシウム、硫黄、亜鉛、カルシウムなどの含有量などにも左右されますが、同時に標高、斜面、気温、湿度、雨量、雨の降る時期、風向き、日照時間等多様な環境が独特の香味を生み出します。
スペシャルティコーヒーもこのワインの概念からスタートしています。
「その土地の独特の気象条件や風土が独特の風味を生み出す」
このワインの考え方が、シングルオリジンにつながっていった訳です。

 

 

リオクリスタルは、過酷な環境下で栽培されている稀有なゲイシャで、今後の香味の変化を追いかけてみたいものです。