パパ日記

コーヒーのテースティング(仮題)韓国版

2000年に柴田書店から出版した「コーヒーのテースティング」はすでに絶版です。
2001年頃の日本のスペシャルティコーヒーの黎明期とそれ以降の発展期の中で、かなり古めかしい本となりました。しかし、コーヒーがまだまだ進化途上であるなか、当時としては必要な本であったとも考えます。LCFの初期のメンバーの多くはこの本の影響を受けています。

そして今韓国の出版社から「テースティング」の本の執筆依頼があり、原稿を何とか書きましたが相当に難しく、まだまだコーヒーの香味について書くには能力的に無理があるなと実感しました。最近はコーヒーの香味を言葉で記憶しておく方向にあり、多くのコーヒー関係者がワインのソムリエのようにコメントしますが、本当にわかっているの?と疑いたくなる事例も多く見受けられます。まだまだコーヒー生産地の香味の全体像をつかむには時間がかかり、過渡的な状況のように思います。

 
香味を表現することは味覚を訓練するしかなく、年齢ともに低下する味覚や感覚は
1.過去の経験値と 2.香味をとらえる独自の視点 でカバーするしかないと感じます。
他の人に理解されなくとも自分の中の香味の基準値を明確にするように努めています。

 
ですから、果実は毎日食べます。
果実の甘いもしくはしっかりとした酸とコーヒーの酸とを比較します。
例えばマンゴーであればいくつかのマンゴーを想定します。
完熟して価格が高く、甘すぎる宮崎マンゴー
一部完熟まではしていない比較的価格も安い、それでも甘い宮崎マンゴー
程よい酸と甘さの台湾のマンゴー
甘さ控えめのメキシコマンゴー
上記のアップルマンゴー系とは甘みの質が異なる何種かのフィリピンマンゴ―などです。

 

この本では農園固有の香味を対象にはせず、あえて地域の代表的な香味という観点からとらえています。その方がはるかに難しく厄介でした。