パパ日記

ぶどう-14 とパカマラについて

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トコトワの磯部さんが送ってくれたぶどう。 彼女は果物のプロで、テースティング会の常連です。 http://www.tokotowa.jp/shop/

 

 

 

長野の千曲市の藤岡農園のぶどう。
ブドウでは難しい有機栽培で、ブドウの果面には農薬を散布していないとのこと。
ぶどうは品種改良が多くどんどん甘くなる傾向ですが、このぶどうはやさしい自然な甘みの印象で驚きです。
甘みの質が全く異なり、繊細で上品ですのでたくさん食べることができます。
だれか止めてくれないと一人で全部食べてしまいます。

 

今朝のコーヒー
グァテマラ エルインヘルト パカマラ
いろいろ思い出のある農園で、日本には10年くらい前にはすでにブルボンが入荷していました。某社が使用していました。
そのころはまだ有名ではありませんでしたので日本では知る人もいなかった農園です。
私は関心があったのですが、サンタカタリーナと長期取引をし始めていましたので断念しましたが、その後スタンプタウンが購入し名前が知られ始めたと記憶しています。
最終的には、2008年のコンテストでパカマラが1位になり世界中に認知されました。

グァテマラの優れた香味は柑橘の酸に明確なコクです。
それが最も優れているのがアンティグア地方の農園の豆となります。
更にその中で突出しているのがサンタカタリーナです。
エルインヘルトはウエウエテナンゴ地方となり、コクはアンティグアよりはやや弱くなりますが優れたブルボンも産出します。
ブルボンの基本の香味は明るい柑橘の酸ですが、例外的にここに華やかな果実の風味が加わったのがパカマラです。
本来中米にはない香味でしたので、3年連続コンテストで1位になったわけです。
華やかさとは赤い果実の風味などで、チェリーやフランボアーズのジャムなどのニュアンスです。
酸が際立つ反面繊維質はやわらかくコクはやや弱めですのであまり深いローストにはしない方が特徴が出ます。

 

このロットも甘いレモン系の酸に複雑な果実感があります。
しかし、ティピカ系のクリーンでシルキーな感覚は若干弱く、快晴というよりはやや薄曇りといった味の印象です。しかし、それはそれで貴重な豆で、グァテマラでは味わい難い豆ですのでお試しいただければと思います。
入手が困難なブルゴーニュの赤ワインを体験するようなものだと思います。

 


尚。シベリア農園のパカマラも販売していますので、こちらと比べてみるといいと思います。
今年のシベリアがいかに素晴らしいかを理解できるでしょう。
このようなコーヒーを飲み、自分の中に香味の基準を作るようにしていくとコーヒーの香味を体系的に理解できるようになると思います。