パパ日記

香味の表現

コーヒーの香味を言葉で表現したいという方が増えてきました。
最近はコーヒーの香味表現の言葉が氾濫していますので無理もないと思います。
わかったようなわからないような、本当に?というような表現過多も多いと感じます。

 

 

 

カッピングセミナーでも香味を表現してみたいと期待して参加される方も多くいます。
コーヒーの香味を自分の言葉で記憶しておくことは、その後のコーヒーと比較できますので大切とは思いますが、言うは易し、簡単ではありません。

 

 

 

私たちはプロですので、コーヒーの差異の判断の為、もしくは消費者の方に参考となればという思いで香味を表現しようと試みます。
しかし、言葉で表現できるコーヒーには、それなりに香味の特徴(個性)がなければなりません。
素晴らしいコーヒーでなければ、言葉に置き換えることは難しい訳です。
一般的に流通しているようなコーヒーでは困難ですので、よいコーヒーを飲む必要があります。

 

 

 

例えば、米国某大手会社のエチオピアのイルガチェフェのナチュラルでもストロベリーとか書いてありますね。
「え…..いちごの味?」ですよね。
いちごそのものの味というよりも、そのような香味のニュアンスがかすかに感じられることを意味します。
しかし、それはプロで多くのコーヒーを体験してきたからわかることですし、逆にプロだからと言ってそれを感じることができる人も少数でしょう。
そう簡単ではありません。

 

 

 

このストロベリーの香味は、基本的にはナチュラルの優れたコーヒーにごくまれに感じます。
優れたエチオピアやイエメンなどですね。
完熟したチェリーの天日乾燥がうまくいったようなコーヒーで、かつローストもやや深めの方が香味が出やすいかもしれません。いちごミルクのようなニュアンスがある場合もあります。
これらは優れた膨大なコーヒーを体験し、その中から掴み取れるものですので、簡単ではありません。

 

 

 


まず多くの方々におすすめするのは以下となります。
A.まずはどのようなコーヒーなのか?豆の情報を確認してください。
ブレンド、生産国、地域、農園、品種、精製、焙煎などはわかるはずです。

B.そのうえで香味をみましょう。
1.粉の香りを嗅ぐ
2.抽出したコーヒーの香りを嗅ぐ
3.一瞬どんな香味があるのかを考える
初めはわからないでしょうが、このようなことを繰り返していけば、コーヒーの香味に違いがあることが分かるようになるはずです。

 

 

 

「いい香りがします。花のような香りがします。」
「しっかりした味わいがあります。柔らかな舌触りです。」
「甘い味が舌に残ります。」
「明るい酸を感じます。強い酸を感じます。」
等がわかれば十分だと思います。

 

 

 

セミナーでは、
コーヒーの香味とはそもそも何なのか?
どのような観点から香味を見ればよいのか?
などを簡単に説明はします。

 

 

しかし、コーヒーを難しく考えず、楽しむことが最も重要です。
「No7のブレンドはここちよい苦みで大好き」という言葉は、私たちには最大の賛辞になります。

 

 

 

今朝のコーヒー
ケニア キウニュ ミディアム
しっかりした酸があり果実感が強烈です。
アンズジャムや梅のような明確なキャラクターを感じることができます。
浅い焙煎で華やかな甘い酸がジュースのようです。
すばらしいコーヒーです。
この焙煎もいいですが、もっと深い焙煎にすれば華やかで複雑な香味となります。
香味の世界が広がります。

 

ケニア カラツ フレンチ
ローストが深いにもかかわらず甘い花の香りを感じます。
生豆に力があります。
チェリーやラズベリージャムのような赤い果実の風味も感じます。
このようなコーヒーを飲むことにより、ケニアの最高峰の香味を理解できると思います。

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堀口珈琲の長い付き合いの農園であるグァテマラ「サンタカタリーナ」、ブラジル「マカウバ・デ・シーマ」が販売されていますので是非お試しください。