パパ日記

スペシャルティコーヒーと評価-2

我々は、コーヒーの香味を最終的に抽出されたカップのコーヒーを客観的に官能判断します。
したがって、きちんとよいコーヒーの香味を理解できる味覚が重要となります。

 
それはプロであっても難しく、栽培地域の生み出す特徴的な香味、品種の持っている特性、精製による香味の変化、生豆の経時変化による香味の変化、焙煎や抽出による影響など多様な側面から判断することになりますので、多くの経験が必要となります。

 

 

したがって、各国のスペシャルティコーヒ^協会ではそれらを適切に判断できる人を育成する方向にあります。
堀口珈琲であれば、一般消費者から開業者まで幅広く抽出の基本や香味のとらえかたなどのセミナーも行っています。

一般消費者であれば、多くの場合香味を主観(好み)的にとらえますので、コーヒーは嗜好品と言われる所以です。
しかし、我々はその香味の良し悪しをなるべく客観的に評価します。
したがって、当然消費者との間にはずれも生じます。

 

 
但し、よいものに触れていけば自然に味覚は開発され、その良し悪しを区分し判断できる可能性は増します。
コーヒーには個性的で多様な香味があることがわかるようになり、その違いやよさを理解した上で、もう一度自分の好みをとらえ直すことができるようになると考えます。
よいコーヒーの体験は味覚を進化させるはずですので、ここにスペシャルティコーヒーを楽しむ醍醐味があります。
ワインでも日本酒でも嗜好品は、そのような味覚向上の循環サイクルで楽しめる物だと思います。

 

 

堀口珈琲のコーヒーは焙煎が深めで、シティからフレンチローストが主流です。
これは高品質であることにより焙煎の表現領域の幅があることも意味し、浅めの焙煎でも素晴らしい香味になります。
しかし、生豆を知れば知るほど深い焙煎に耐えられ、かつ産地の香味を醸し出す生豆が極めて少ないということが理解できるようになります。
フレンチローストにする豆は、明確な酸があったり、脂質の含有量が多かったり等々……必ずそれに適した生豆が使用されます。
フレンチにしても、デリケートな酸と濃縮感、そして複雑な香味を表現したくこの仕事を初めましたので、今なお進化しつつ堀口珈琲の独自の世界をご案内しています。