パパ日記

SOFT とBRAZIL

スペシャルティコーヒーという概念のないころ、ブラジルではNO2が輸出規格で最上位のコーヒーでした。NO2は生豆300g中の欠点数が4欠点以下です。
未熟豆や砕け豆などは5個で1欠点と数えますので,それでも最大で20粒は混入します。

 

 

 

但し、未熟豆は生豆の状態では判別しにくく、実際には欠点豆の混入はもっと多くなります。
したがって焙煎後に色着かない豆である未熟豆などをハンドピックする必要が生じます。

 

私がこの仕事を始めた時、日本では、ブラジルコーヒーは、味覚により下記のように区分され試用されていました。( )内にポルトガル語

strictly soft(Estritamente Mole:アロマとフレーバーがより強調されている)
soft(Mole:心地よく、柔らかで甘い味わいのカップで、鑑定の基準となる味)
softish (Apenas Mole:モーリよりも特徴が若干弱いが、渋味や雑味がない)
hard(Dura:酸味、渋味、雑味のあるもの)
rioy(Riada:化学的なフレーバー(リオ臭)が若干するもの)
rio (Rio:リオ臭)

 

 

現在も、汎用品においては、このような言葉がブラジルのエクスポーターや生産者でも使用されているようです。
この味覚の基準は曖昧でしたので、ブラジルNO2のナチュラルの香味の良し悪しについては渋みがなく、ハンドピック比率が少なければよいと判断をしていました。
当時の精製はナチュラルで、パルプドナチュラルなどの流通はありませんでした。

 

 

汎用品の場合、様々な生豆がブレンドされます。
ロット、等級、価格、地域等の異なるものをブレンドし、日本の商社などからのリクエストに応じた味と価格のロットが作られます。これがブラジルの鑑定士の仕事でもある訳です。

 
ブラジルの生産量は多く、供給量の安定性があり、日本ではブレンドのベースとして使用されてきました。そのため多くの日本人は、ブラジルの香味に慣れ親し、飲みなれた香味になっています。
酸などの個性も弱く、中庸の味などと言われたものです。
かすかにトースト臭、ナッツ、麦茶などのニュアンスも伴い、舌にざらつき感を感じるものも多く見られます。

 

 

しかし、スペシャルティコーヒーでは、地域、品種、精製方法も多用で「ブラジルのコーヒーの香味は?」中庸とは言い難くなります。
基本的なよい香味は、「柔らかな味わいで、程よい酸とボディがあり、濁り感の少なめのもの」といえます。

 

 

 

ブラジルの最高峰の香味とは何でしょう?
私は20年以上ブラジルのナチュラルのソフトでナチュラルの精製によるボディのあるコーヒーを追いかけてきました。
生産地域ごとのブルボン種を基本として様々生豆を買いつけてきましたが、同時に失望、挫折も多く味わってきました。
続く