私たちはブレンド作りを最もクリエイティブな作業だと捉えています。日々、生産現場も進歩しており、手に入れることができるコーヒーの品質がどんどん発展しています。手に入れた素材を前にどんなものを作るか、そして素材をどのように活かすかというのは、コーヒーを深く知らないとできません。ブレンドを作るという行為は私たちのコーヒーへの理解力が試される瞬間でもあります。つまり、組み合わせる以前の味わいよりも“おいしいコーヒー”を作らないといけないということです。そのため、焙煎しては抽出してを日々繰り返してコーヒーの味わいを評価し、素材への最適なアプローチを探しています。コーヒーと向き合う時間の長さが、クオリティの高いブレンド作りへの近道だと考え、シングルオリジンでは表現できない香味の複雑さや奥行きのある独創的な味わいのブレンドを最高の形で提供できるよう試行錯誤を繰り返しています。各産地の最高のコーヒーを揃えて創意工夫を凝らし作り上げた、私たちが考える現時点での最終着地点といえるのが9種類あるブレンドそれぞれの香味です。その味わいを体験していただきたく、3種類を計3回に分けて販売することにしました。
第１弾となる今回は、♯1、♯２、♯３の3種類のブレンド。香味チャートでは近い位置にありますが、味わいにはそれぞれに明確な差があります。各ブレンドの現在の配合や楽しみ方などを下記で紹介していますので、そちらをご覧いただきながら各コーヒーを楽しんでいただけたら幸いです。 私たちが考える“おいしいコーヒー”の答えがここにあります。
堀口珈琲の世田谷店で先日まで販売していたニュークロップのＬＣＦマンデリンのシティロースト。ネットショップでも販売を開始します。フレッシュな状態であるうちにぜひ楽しんでいただきたい商品です。販売期間は約1ヵ月と短めですがご了承ください。
深く焙煎することで生まれるシルキーな口当たりがマンデリンの最大の特徴です。しかし、マンデリンには特徴的な酸味も備わっており、今回はその酸味の部分を味わっていただきたく、シティローストで焙煎しました。マンゴスチンやパパイヤを思わせる酸味や甘みに、タイムを思わせるスパイス感がより強調され、フレンチローストとは異なる味わいが表れます。冷めてくると触感の滑らかさや甘みからヨーグルトっぽさを感じたりと、いろんな味の要素を多彩な表情を見せてくれるのがこのコーヒーの特徴といえます。時間の移ろいとともに表れる味わいの変化をぜひ体験してみてください。
良質なブラジル・ナチュラルを生産するコヘーゴ・セコ農園から今シーズンのコーヒーが入荷しました。首都ブラジリアから見て北東に位置するバイーア州のほぼ中央を走る高地で農園は運営されています。標高は1300メートルとブラジルのなかでは比較的高いエリアにあります。また、ブラジルでは珍しくシェードツリーを活用した栽培を行っているなど、生産に対するこだわりを感じさせてくれる農園です。
濃縮感のある甘みとコクに、柔らかな触感。フルシティローストで焙煎することで、強調されるビターチョコレートのようなほろ苦さ。コヘーゴ・セコ農園のコーヒーから感じられるのはこのようなブラジルらしさが詰まった味わいです。ナチュラルらしいウイスキーを思わせる芳醇な風味も余韻として表れ、カップに奥行きを与えてくれます。しっかりとした飲みごたえのあるコーヒーをお求めの方にはとってもおすすめです。