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これまでの学会活動-5(2018)

2018年12月15日

日本食品科学工学会「コーヒー生豆の成分と官能評価によるスペシャルティコーヒーの品質指標の作成」口頭発表 2018年8月(東北大学)

 

 

6月に次いですぐ8月の発表は厳しいものの、フィニッシュが見え始めてきたので、ここでまとめておく方がよいとの判断で参加しました。東北大学は地下鉄の駅を出ると目の前。規模の大きな学会で多くの各教室で発表が行われ、民間企業の方も多く参加していました。

 

 

 

北大学ではパワポでなく、書画カメラ(Over Head Camera, OHC)で、A4の紙の原稿をスクリーンに投影します。パワポを作成しプリントしました。
時間制限の中で、ペーパーを取り換える動作が入るため機器から離れ、動きながら話すことができないデメリットがありますが、モノも投影できますので便利モノとは思いました。

 

 

 

コーヒー関連の発表は、「香りの関係」などで若干みられるもののほとんどなく、各企業の研究者はもっと表に出てほしいと感じました。当方の発表は、どういうわけか満席で立っている方も見受けられました。

 

 

 

3回目ですので、何とかなりましたが、実験内容はアナログです。
最近の研究は、大学も各企業の研究室も3000∼4000万の専門機器を駆使しますので、複数の研究者が共同で行うことも多くみられます。
多くの場合、多くのデータをとりますが、それをまとめる方法は主成分分析などになり、傾向を読み取れますが、研究の新規性、独自な視点などそこから先は簡単ではありません。
LC/MS(液体クロマトグラフィーと質量分析を行える、さらにLC/MS/MSなど)での研究発表が主流で、ケミカルではたんぱく質、核酸等の分析ができます。
コーヒーのアフターハーベストにおける有機酸、炭水化物、揮発性物質、糖アルコールなどの分析論文も見られますので、精製方法の適切な方法は、今後ケミカルからの観点から整理される可能性は有ります。問題は、官能との相関も見ていかねばなりません。
研究者は風味がわからない人が多いため、このような研究には、個人レベルではできず、多くの研究者がかかわることになるでしょう。

 

 

 

近赤外線分析も多くの試料を分析できます。
分析データを蓄積し、気候、標高などの地理的条件が生み出すコーヒー特性から、物理的評価や官能評価を簡略化しようとする論文も見られますが、官能評価との相関が簡単ではないように思えます。分析データをうまく活用すれば、分析の簡略化はできるとは思います。

 

 

 

但し、3年という限られた期間で実験結果を検証し、答えを出すにはデータが多ければよいというわけではありません。実験回数はn=5(5回同じ実験をする)ですので、サンプルが50でも5種の実験で各5回ですと1250回の実験が必要になります。
理化学的実験は、労力はかかりますが、5感で試料に接するプロセスがありますので、これまで見えないことが見えてくるメリットもあります。
また、今更このようなローテクな実験を、研究者は行いませんので、研究の隙間も生じていると考えています。

 

 

 

 

昼は学食。初日夜は、交流会で夕食は済ませ、翌日の発表のデータ整理にあてました。
2日目の夜はLCFの仙台メンバーと会食。(活動日記に記述済)

 

 

これまでの学会活動-4 (2018)

2018年12月15日

博士課程には査読論文2報、もしくは3報が必須となります。現実的に3報はかなり厳しいといえます。東京農大の社会人入学の環境共生学専攻は2報ですが、社会人にはかなりハードで、社会人時代のベースが必要とも言えます。修士課程にはこのような条件がありません。
査読論文は、学会の二人の教授が審査しますが、だれかはわからない仕組み(ブラインドの場合が多い)です。基本的には、査読はよりよい論文を完成するための論文執筆者と査読者とのキャッチボールと認識しますが、なかなか簡単ではありません。

 

 

投稿者になかなか厳しい評価をする査読者もいれば、そうでない査読者もいるのではないかとか思います。査読の本質は、論文としてのテーマや考察が適切で、結論に至る論証がきちんとしているかなどが問われ、さらに文章表現などの適切さも基本的査定の条件になると思います。
この査読論文で、多くの院生は、博士課程の厳しさの1面を体験させられます。
判定は、学会誌の掲載可から、少しの修正で掲載可、大幅な修正が必要、掲載するには値しない、まで幅広く審査されます。掲載不可でなければ見直して、指摘部分について書き直したり、修正したりすれば、掲載の可能性は残されていますのでめげずに対応すればよいのですが、かなりの忍耐力は必要に思えます。

 

 

 

私は、学術的な文章作法が乏しく、査読者にご迷惑をかけたと反省もしますが、とにかくアクセプトされましたので次のステップには進めます。

これまでの学会活動-3(2018)

2018年12月14日

日本食品保蔵科学会「コーヒー生豆の流通過程における梱包、輸送、保管方法の違いによる品質変化に関する研究」口頭発表 2018年6月(山梨大学)

 

 

 

今年の学会は山梨大学でした
甲府から徒歩15分くらい。2度目の発表で少しは慣れましたが、まだケミカルは初心者ですので緊張します。コーヒー関係の発表は当方のみ。
いくつかの教室で発表がありますので、参加者は興味のあるテーマを聞くことになります。
専門分野が、細分化されていますので全く分からない分野も多く、朝から1日聞いているのも疲れます。

 

 

 

学会では毎回、パワーポイントを作ります。
パワポは、年2回のスクーリング(専門分野の異なる20名くらいの教授たちの前で中間発表する)でも作り、ゼミでもパワポを作りますので、まるで分らなかった入学時からは進化しました。

 

 

 

大学の近くには飲食店は少なく昼は貧弱でしたが、夜の交流会は、甲州のワイン、ほうとうなどを満喫。
帰りは、奮発して山梨名物の国産煮アワビを購入(輸入アワビは安く買えます)。

アワビの煮貝は、アワビを蒸し煮して、調味液に浸漬し、加圧殺菌した伝統水産加工品です。

 

 

 

 

山梨といえばワインですね。甲州ブドウは、ワインの国際的審査機関(OIV)に、その品種名が登録されています。私は毎年11月に生食します。
現在日本ワインの国内流通はワイン全体の5%程度といわれ、まだワイン生産国とはいいがたい面があります。
山梨では、生産農家の高齢化、後継者不足が深刻化し、栽培面積は減少化の傾向にあり、北海道等に新たなワイナリーの増加傾向がみられます。

 

 

 

日本ワイン研究は、栽培方法として棚仕立てから垣根仕立てが試され、剪定の実験もされています。
また、品種も、甲州のみではなく赤のカベルネソービニヨンや白のシャルドネもためされています。
ワイン研究の一部れでは、きちんと栽培条件と品種の研究がされていますが、多くの日本のワイン栽培はみさかいなく様々な品種を植えるだけのように思えます。
日本ワインブームですが、正しく品質や風味を評価すべきと感じているのは私だけではないと思うのですが。

 

 

 

山梨大学ワイン研究センターでは、保管条件が成分変化に及ぼす影響の研究などが行われています。
これは、4℃の冷蔵庫、14℃湿度70%を基準、空調の無い室温、35℃の4つで比較ています。
35℃の場合は、色調は高温の方がアントシアニン含有量の低下(色調の低下)がみられ、赤ワインの香気はアーモンドのような香り成分furfuralが増加、官能評価は保管期間の経過に伴い低下するとしています。
但し、4℃の場合は、白であれば保管30カ月でも官能評価に変化はないが、赤ワインは味の複雑性に欠けるとしています。米の場合であれば.4℃はかなり好い条件のはずです。
「米とコーヒー」という比較研究もしましたので、いずれ機会があれば公表します。

 

 

 

また、コーヒー生豆の場合は、賞味期限などについてもいずれ論文で発表します。

 

 

 

 

これまでの学会活動-2(2017)

2018年12月14日

日本食品保蔵科学会「スペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーの品質差に関する研究」
口頭発表 高知県立大学にて 2017年6月
かなりざっくりしたタイトルで、2年目のこの時期はまだフィニッシュが見えていないころで、試行錯誤していました。味覚センサーも使用し、コーヒーの有効な使用方法も考え始めた時期です。

 

 

 

2年になると、実験はある程度完成させておく必要があり、学生に手伝ってもらいつつ行いました。
最終的に卒業には査読論文2報が必要で、学会誌に掲載されなければなりません。
結果が思うようにいかないことも想定し、研究テーマは3つくらいにして、並行して実験を行いました。
この時期はまだ余裕で、「なんとかなるさ」という状況でしたが、3年次に査読の大変さを思いしらされ、谷底に落とされ、今年は苦悩の連続でした。
さまざまな人に聞くと、みなこの苦闘を経験しているようでした。

 

 

 

高知県立大学での学会に、初めての口頭発表で出席しました。
新米で勝手がわからず、控室でUSBの作動確認(パワポ)をしておき、順番がきたら発表します。
どの学会も同じですが、発表は時間厳守です。
今回は、質問時間も含め計14分だったか?2分前、1分前にはベルで知らされます。
初めての口頭発表でしたので緊張し、ポケットに手を突っ込みながら話したのを覚えています。

 

 

 

高知県は1次産業が多く、農作物は豊富な件ですが、収益が伴わないため、6次産業化の転換も模索されています。6次産業とは、1次産業だけでなく、2次産業(加工・製造業)・3次産業(販売業・サービス業)を取り込み、1次産業の1、2次3次産業の3をあわせて6を意味しています。
そのため地域の農作物を使用した6次産業として、加工食品や大学と連携した機能性食品の開発などの取り組みが多くみられます。
これらは日本の各県に多く見られ、地域活性化になるのでしょうが、うまくいっている事例は調べてみないとわかりません。

 

 

 

高知は農業、水産業は豊かで、朝市の規模は大きく、露店が延々と続いていました。
都市生活者からするとうらやましい限りです。
日本の農作物の多様性は世界有数のように思えます。
しかし、小規模で効率が悪く、大規模農業や民営化が叫ばれますが、生産規模も多様化が必要に思います。食の多様性は効率以外の価値観も必要に思えます。
最近は何でも民営化に向っています。
水、農地、漁業件など民営化してよいものとすべきでないものについてい、今少し議論すべきと思います。

2017-06-25 004 2017-06-25 003

 

 

高知といえばカツオですので、2泊3日の二晩、藁であぶったカツオのたたきをいただきました。
昼はうなぎ屋(関西風で蒸しはなし)に繰り出し、食を満喫。
高知の珍しい乳酸発酵の碁石茶も購入しましたが個人的には微妙な味でした。
交流会には、土佐の20種の日本酒が並びました。

2017-06-24 005 2017-06-23 003

2017-06-25 005 2017-06-23 005

これまでの学会活動-1(2016)

2018年12月13日

博士課程の3年生で来春は卒業予定ではありますが、まだ確定していません。
能力が伴わず、なかなかハードルは高いと感じています。

 

 

 

これまでの学会活動の一部を報告しておきます。
まだ初心者ですが、各コーヒー企業また他の食品企業の研究室、開発室のかた、香料会社や分析会社などの方々との名刺交換が多くなりました。

 

 

 

最近の研究は、3000万から4000万の分析機器を駆使する傾向が強く、世界中の研究機関が同じ土俵で研究できる時代になっています。
しかし、それらを使いこなすのも大変ですが、研究室での分析おたくは増加しています。
コーヒー業界においても、研究部門は国立大学を含む修士、博士課程の大学院卒が増加し、高学歴化は予想以上に進行しています。

 
しかし、分析はできるのですが、何を分析してどのような答えの予測をするかについては以外に難しいと考えます。結果から何を読み取るか?の能力が必要で、それはかなり難しでしょう。
それ以前に、研究テーマの新規性や独創性は生産現場がわからなければ生まれませんので、入社したからといって簡単に自分の研究テーマが見つかる訳ではなく、時間はかかるでしょう。

 

 
私などは、世界の潮流の分析機を使用することより、3年で結果の出そうなアナログの実験を選択しました。コーヒーの成分分析はすでに2000年以前に終わっていますので、いまさらと思う方が100%近いのですが、コーヒーの場合生産履歴の曖昧な試料分析が多く、過去のデータが役立ちません。
また、分析目的が単純なことこそ、見落とされていることも多くみられます。
分析実験ですので、方法は教科書に書かれていますが、コーヒーの場合、どのようにすればよいかは書かれていませんので、その方法については試行錯誤しました。

 

 

 

さて、初めての発表は、入学初年度2016年9月、ASIC(国際コーヒー科学学会)での ポスター発表(中国・昆明)でした。入学して5ヶ月で発表できる状況下にはなかったのですが、何事も経験と参加しました。雲南省昆明は、コーヒーの生産地の雲南まで近距離で、またベトナムとの国境にも近い場所です。内陸部とはいえ、人口は700万人以上といわれる大都市です。

 

 

 

A0版ポスターの制作の方法もわからず、学生に手伝ってもらいパワポからポスター制作をしました。この時期は、エクセルやパワーポイントが十分に使えるレベルではありませんでしたので、パソコンで苦労した時期です。
ただ、ポスターは持参せずとも、データを送ることで現地で掲載してくれました。
口頭発表の合間の決められた時間にポスター前にいて来場者に説明するという方法です。
フランスやコロンビアの研究所の方が寄ってくれました。
この年の日本からのポスター発表は、サントリー、森永乳業、UCC、当方などで、日本人の口頭発表はありませんでした。
日本の大学ではコーヒー研究はほとんどありませんし、大手各企業も学会に出席はしてもなかなか発表はしない傾向にあるようです。
写真 2016-11-15 018

 

 

中国は、あらゆる分野で研究には力を入れていますので論文提出量も日本よりははるかに多くなっています。そのためか,昆明のインターコンチネンタルホテルでの学会は盛況で、ポスターの数も200くらい?はあったでしょうか?発表会場も広く、映画館なみのスクリーンでした。写真 2016-11-14 021
アジア・アフリカ圏(インドネシア、インド、アフリカ)などの研究所の方の参加も多く盛大で、今年のポートランドの学会は貧弱に思えてしまいました。
経済力が、学会の規模に比例しているのでしょう。

 

 

 

会場のインターコンチネンタルホテルでは、朝、昼、晩とビッフェで食べ放題でしたが、飽きて街に食べにも行きました。
英語、日本語は全く通じず、タクシーに乗るのも必ず行き先をメモする必要がありました。
また入店しても、ビールさえ通じませんし、メニューは読めませんので、写真で判断するしかありませんでした。何が出てくるかなかなかスリリングでした。昆明は昆虫食も有名で食しました。

写真 2016-11-15 043 写真 2016-11-15 046

町にはコーヒー店も多くみられ、コーヒー市場の国際化は急速です。
数店入りましたが、そこそこのレベルでした。
一店のみケニアやイルガなどのハイエンドのスペシャルティを扱っている店を見つけましたので名のったところ、韓国系の経営者で、私の本の読者で緊張していました。

写真 2016-11-15 036 写真 2016-11-15 030

 

続く

 

 

 

コーヒー店の業態-4

2018年12月5日

6.自家焙煎店
1970年前後にその萌芽が見られる。1990年の私の創業時は、家庭用のコーヒー消費はまだ一部のコーヒー好きに限られ、主には自店の喫茶のための焙煎が多くみられ、「自家焙煎」という言葉が使用されたと推測される。
したがって、本来は小さな焙煎機で店内用のコーヒーを焙煎している店を指すが、時代の変化ともに家庭用の豆の需要も増加し、店内焙煎をしている店の総称となっている。
2000年代初めには二つのムーブメントがあり、一つはカフェであり、いま一つは自家焙煎店である。コーヒー専門店の衰退を目撃し、初期の段階ではコーヒー好きで資金の余力のある中高年男性が自家焙煎店に関心を示し、将来的な生活基盤にすべく起業した事例が目立った。。
その後女性の参入も増え、小さいながらも自家焙煎店の潮流を生み出した。

 

 

 

自家焙煎店には、焙煎豆の販売のみの店、店内に喫茶空間を持つ店などがある。
2000年代の10年間で約1000~2000前後の自家焙煎店の開業が見られた。
2010年以降はサードウェーブのマイクロロースターの影響で若い人の開業も目立った。
現時点の正確な店舗数は不明であるが、5000~6000店程度?と考えられるも正確ではない。
小型焙煎機は、1kgから3kg、5kg前後まであり、さらに10k以上20kg、30kg程度のものもあり、自店喫茶用であれば1kg焙煎機でも足りるが、家庭用の豆の販売となると最低3~5kg程度の焙煎機の設置が必要である。

 

 

 

自家焙煎店には、原材料の良し悪しを判断するスキルとしてカッピング(テースティング)のスキルを必要とし、また接客、販売、ディスプレイ、企画など多面的な能力も問われ、開業には最も準備期間を設けることが必要な業態である。
 

 

7.ビーンズショップ
自家焙煎店とは異なり主に家庭用のコーヒー豆販売を目指す業態の店で一部使用された名称。
私が1990年に開業する際に、自家焙煎店と差別化するためこの言葉を使用したが、広がりは少なかった。店内に焙煎機を設置する業態で、喫茶を併設している場合も多いが、あくまで焙煎豆の販売が中心の業態である。現状では自家焙煎店との区別は難しい。
 

6.ロースター
基本的には焙煎している店、会社はすべてロースターであるといえるが、主には喫茶店向けの業務用コーヒーを製造販売する業態を指した。
現在は大手数社、中小300社程度から構成され、喫茶店の減少の中で寡占化が進行している。
大手は家庭用、工業用など多様な市場に進出している。
私が開業した1990年までは、家族経営規模の小ロースターが都内もみられたが(自家焙煎店とは異なり焙煎豆卸)、喫茶店の減少の中で多くが廃業した。
逆に自家焙煎店から成長した店は、業務用のコーヒーの扱いも増え、ロースターとの区別がつきにくくなった。

 

 

ブラジルコーヒー

2018年12月4日

コーヒーの風味を特長付ける風味として酸味とテクスチャーのコクがあります。
最近のコーヒーは、フルーティーと酸味にばかり関心が向い、サードウェーブは「コーヒーはフルーツ」と、焙煎を浅く酸味を強調します。しかし、それらは間違えると穀物臭を伴ったり、醗酵臭をフルーツと勘違いしたりする傾向も生み出しています。

 

 

 

酸は最も重要な風味であリ、酸が強いということは焙煎のバリエーションを多様にできる可能性を秘めている訳ですが、そのことを無視してカッピングの焙煎度合いに固執するのはいかがなものかとポートランドで考えてしまいました。
ケニ アコーヒーは、世界で最も強い酸を含みますので、、多様な焙煎ができ価値があります。
対してブラジルコーヒーは、酸が弱い傾向があり、テクスチャーに価値を見いだせます。
したがって浅い焙煎よりは深めの方がよいと考えます

 

 

ここ10年以上、酸に特徴のあるコーヒーを飲んできましたが、コーヒーの風味は多様ですので、たまにブラジルの濃縮感のあるコーヒーも飲みたくなります。
基本的には、生産地や品種の差異を見いだすのは難しい生産地ですが、濃厚な味が潜在するものがよいとは思います。多くは、やや埃っぽいざらついた後味、泥臭さがあるものが多くみられますが、それらのニュアンスが少なければ「よい風味」とお考えください。

 

 

毎日、繊細なブルゴーニュを飲んでいると、たまにはボルドーやカルフォルニアのジンファンデルを飲んでみるかのような感じです。
堀口珈琲がセレクトするブラジルは、「一味か二味」違いますのでお試しください。

 

 

今日は、シェラスコを食べに行こうかなかな・・・。

コーヒー店の業態-3

2018年12月4日

4.コーヒーショップ
日本では1980年のドトールが元祖で、ドイツのチボーを原型としたセルフサービスの店。
1990年以降は喫茶の衰退とともに増加した。
1996年銀座松屋裏のスターバックス1号店が誕生し、喫茶店に代わる業態として一気に拡大していった。この当時すでに銀座の喫茶店は減少していたため、スターバックは絶好のタイミングで日本に入ってきたといえる。

 

 

 
スターバックスはイタリアのバールを参考にエスプレッソマシンを導入し、ミルク入りコーヒーで、従来のアメリカンコーヒーを凌駕した。テークアウトおよびサードプレースで差別化し、その後タリーズなど多くのシアトル派チェーン店を生んだ。
コーヒーショップは、従来の喫茶店とは異なるセルフサービス業態の店を指す場合が多い。

 

 

 

初期はイタリア、フランスの業態であるバールとも呼ばれたが、最近はコーヒーチェン店といわれることも多い。またカフェチェーンというような言葉も使用されれるがこれは適切ではないだろう。
日本型チェーンは、全自動抽出マシン、アイスコーヒーマシンを使用する事例が多く、シアトル型はエスプレッソマシンおよびコーヒーメーカーを使用する。
もちろんイタリアではエスプレッソマシンしかない。
いずれにせよ、これらの店はセルフサービスであり、フルサービスの喫茶店やカフェとは区分してとらえる方がよい。

 

 

 

5.サードウェーブ系コーヒー店
米国のサードウェーブの象徴といわれた会社が数社買収されたため、このような業態区分が成立するかは曖昧であるが、その影響下で世界中に同じようなスタイルの店ができているため加えた。
サードウェーブの本質は、生豆の品質に目を向けた動きであり、スターバックスのようにショップ展開が目的とはいい難い面がある。。

 
個人的見解としては、サードウェーブは、米国ロースターの業務用のコーヒー市場に向けたスペシャルティコーヒー(SP)のムーブメントの一部分と解釈している。
スタンプタウン、インテリジェンシア、カウンターカルチャーなどはコーヒーショップ、レストラン向けのトレーニングセンターを充実させていた。それゆえに米国のSP市場は拡大したといえる。
対して日本の業務用の市場はディスカウントが多く、スペシャルティコーヒーは小売りを中心に伸びてきた。

 

 

 

2000 年代に入るとバリスタ選手権が開催され、世界的に20~30歳の若い世代にエスプレッソ、カプチーノに対する関心度が高まり、2005年頃から急速に拡大していった。
しかし、当時の日本の若い世代に起業の力はなかった。
2010年前後に米国のサードウェーブをメディアが取り上げ、米国のマイクロロースターの情報が広がり、その新しい感覚のスタイルは広まり世界的に影響を与えた。
2010年以降は、若い世代の開業が目立ち始め、業態の多様化が進んだといえる。

 

 

 

店内に焙煎機を導入し、コーヒーはエスプレッソマシンで抽出というスタイル。
サードウェーブの一部が日本のペーパードリップに関心を持ち使用し始めたため、それに影響を受けたスタンドの店なども見られる。
しかし、これらの業態は、日本では2000年の初めにから「自家焙煎店」として大きなムーブメントを形成していた。

コーヒー店の業態-2

2018年12月4日

2.コーヒー専門店
喫茶店でのコーヒーニーズの拡大の中で。コーヒーの専門性で差別をはかった店。
私の開業した1990年くらいまでは東京都内に多く見られた。
あくまでコーヒーに特化し、食はトースト、サンドイッチ、ケーキ程度で、ブレンドコーヒー以外に、マンデリン、コロンビア、ブラジルなどストレートコーヒーも提供した。
当時、東京ではオールドビーンズと炭火焙煎の2系統があり、コーヒーはネルおよびペーパードリップで抽出された。典型的な店舗スタイルは、コーヒーカップを壁面に飾り、従来の喫茶店との違いを演出した。その他チェーン展開するコーヒー専門店もみられ、1980年代までのコーヒー需要を牽引したといえる。

 

 

しかし、1990年代にはいると、バブル崩壊のコーヒーショップチェーンの拡大の影響、2000年代にはいると自家焙煎店の増加の影響下、店舗数は激減したため、若い世代にはこの区分がわからない人も多い。また、1990年代は、不況の時代で、東京23区に喫茶店およびコーヒー専門店の出店はほとんど見られなかったのも特徴といえる。
その間隙をぬって80年代から90年代はオフィスコーヒーが浸透した時代ともいえる。

 

 

 

3.カフェ
喫茶店の衰退に伴い1990年代の喫茶店衰退の時代を経て、2000年前後に誕生した新しい業態。
不況により、日本の雇用形態である年功序列、終身雇用が崩れ、リストラ、早期退職などがみられた。会社に奉仕するという価値観から、起業への転換ニーズが生まれた。
不況で店舗の保証金が半額から1/3に減少し、家賃も下がり、また、景気対策から借入もしやすくなり、多くの業種で出店のハードルが下がった。
この経済状況の変化にいち早く反応したのが、30~40代の女性であった。
彼女たちの作った店は、資金不足から手作り感がみられ、それが従来の喫茶店と異なる雰囲気を生み出し、初期は東京カフェといわれた。
ごく一部を除き東京を中心に起こったムーブメントで、そこから数年を経て全国に波及した業態といえる。(それ以前にはパリスタイルのオープンカフェという業態でカフェという言葉が使用された程度である。)

 

 

 

喫茶店の不振を目撃してきた新たな参入者は、コーヒーより食に比重を置いたもので、食事の売上比率が50%程度を超えるような店であることが多く、カフェごはんという言葉も生まれた。
2000年前半は個人店によるカフェブームであった。
メディアの取り上げは過熱し、2000年前半は空前のカフェブームを起こした。
そのためアパレル、雑貨、家具などの企業の参入が目立つようになり、2000年後半には過当競争に入り、撤退も多くみられた。
しかし、カフェ誕生から20年近く経過し、経営基盤の強固なチェーン店も多く、喫茶店に代わるカフェは多様な形態で増加した。
趣味がカフェ巡りという若い女性を誕生させ、新しい文化を形成しつつ発展しているといえる。

 

コーヒー店の業態-1

2018年12月1日

コーヒー焙煎量は、大手数社で70%程度のシェアがあり寡占化され、コーヒーショップチェーンは6.117店(2015.12)、コンビニは55.774店(2015)、喫茶店は67.193(2016)、更には5.000店以上あるハンバーガーチェーンもコーヒーに力を入れ、コーヒー産業は寡占化と品質と価格の多様化が進行しています。
しかし、その産業構造はほとんど知られていない状態です。
日本のコーヒーには、まずレギュラーとインスタントがあり、レギュラーは業務用と家庭用と缶コーヒーなどの工業用に区分され、それらの原材料の品質と風味および価格は当然大きく異なりますが、市場では曖昧です。

 

 

コーヒーの記事を見ていると「カフェ文化多様化本物志向の消費者に向けた取り組みが目立つ」などとして、店内焙煎している、コーヒー教室を行っている、抽出方法が選べる、企業内で店舗の差別化をしているなどの事例が取り上げられ、ステレオタイプ的に新しい第4の波を探しているとまとめられる傾向がみられます。
メディアは、あれほど取り上げたサードウェーブを過去のものとしてみてしまうのですね。
2000年代のスペシャルティコーヒーやサードウェーブの本質をきちんと理解していないことによると思いますが、その激動の時期を体験していないでしょうからやむを得ないのかもしれません。

 

 

 

昨今は、言葉の使用方法に混乱を感じますので少し交通整理をしておきましょう。ここでの「カフェ文化とは何か?」「多様化とは何か?」「本物志向とは何か?」とは曖昧ですね。
直近の日本のコーヒー文化は、1970年代以降の喫茶店の隆盛から今日に至る50年の歴史があり(それ以前の歴史も長いですが私は未体験です)、現在のコーヒー文化はその延長線上にあります。今回は、多様なコーヒー業界の中で使用されるコーヒー店の業態とその言葉の意味について概略をお伝えします。

 

 

 

1.喫茶店
日本の伝統的喫茶。業務用コーヒーの急速な普及時期で、オフィスコーヒーもなく出前が1日100杯ある店も珍しくなかった時代にできた個人店が原型。
その多くは、小さな4人掛けテーブルが基本で、内装には比較的木が多く使用され、サイフォン、20~50杯くらいのネルドリップ(ハーフポンドもしくは1ポンド用のやぐらを使用)、もしくはコーヒーメーカーを使用した小さな個人店で、常連がたむろした。
基本的にはソフトドリンクの売上が50%以上の店。

 

 

保健所の業態区分では飲食ではなく喫茶であり、食事はパン、ケーキなどの軽食に限定される。
飲食店で営業許可をとれば食事、酒を出すことは可能で、喫茶店衰退の傾向が見られたころには、売り上げ減少に伴い米を炊き、スパゲティなどの昼食を提供したが外食産業の隆盛とともに店舗数は減少した。私の業態区分ではあくまでコーヒーなどのドリンク売上で判断します。

 

続く

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