パパ日記

イエメンの本当の香味-1

イエメンは、エチオピアと並ぶコーヒーの古い産地です。

アラビア半島のモカ港からコーヒーの苗木がインドや、インドネシア、ブルボン島などに送られ、その子孫が今の多くのコーヒーにつながっています。

日本でモカと呼ばれるコーヒーはこのイエメン産とエチオピア産のコーヒーを意味します。但しイエメン産のほうがエチオピアのナチュラルより価格が高いため、エチオピアのコーヒーがイエメンに運ばれ輸出されることもあるようです。

イエメンは、品種の改良などは行なわれず今日まできていますので、精製工程さえよければ優れた香味のコーヒーを生み出します。

しかし、これまで日本で流通していたイエメンの「モカマタリ」などは価格が高い割りにトレサビリティの不明確なコーヒーで、発酵臭の付着した劣悪な品質のコーヒーが大部分でした。

本来のマタリはバニマタリ産のコーヒーを意味します。
価格が高く、日本で流通しているマタリ名のイエメンコーヒーは本物とはいいがたいものが大部分です。
しかし、この曖昧ながらも独特の発酵臭を一部日本人が好み、また希少性もあるため日本では根強いファンがいます。

過去20年間この地のコーヒーに執着はしてきましたが、いいものにめぐり合うことができませんでした。しかし、数年前から再度めげずに優れたイエメンのコーヒーを探すことに堀口珈琲は力を入れてきました。

昨年からは、バニマタリ、ハラジ、イスマイリ、ハイミなど産地別のコーヒーを販売することができました。
イエメンは、世界最高峰の香味を生み出す可能性を秘めた産地といえますし、
コーヒーの起源ともいえる古い産地です。
今回、日本ではほぼ飲むことのできないコーヒーをそろえてありますのでお試しいただければ幸いです。

イエメンコーヒーの本質的香味
ナチュラル特有の未熟豆や発酵の香味はなく、
甘いチョコレートのアフターテースト、赤ワイン、柑橘系のレモンやオレンジの酸、ジンジャー、シナモンなどのスパイス、など多様で複雑な香味の宝庫です。