パパ日記

コーヒー生豆の賞味期限 1  スペシャルティコーヒー以前

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コーヒー生豆の賞味期限は、ICOなどの国際機関、生産国の研究所、輸出会社その他SCA(スペシャルティコーヒー協会)、
SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)などにおいて特に設けられていません。ブラジルにおいて、
国内及び米国での保存を比較した研究はありますが、理化学的な数値に基づいた研究はなく、賞味期限にふれてはいません。

そこで、一般的に流通している生豆の賞味期限について考えてみます。

 

1990年の開業時は、各生産国の輸出等級が品質の基準になっていた時代で、コロンビア・スプレモ、グァテマラSHB、ブラジルNo2、タンザニアAAなどの名称で生豆が流通していました。
エチオピアやイエメン(モカマタリ)などのNaturalは、発酵臭が強く、大量の欠点豆のハンドピックが必要で使用しませんでした。

プレミアム品(この当時は、輸出会社や輸入商社、生豆問屋が付加価値を付け差別化した商品)もありましたが、購入時期やロット(輸入の時期)違いが異なれば明らかな風味差があり、品質の安定性はありませんでした。

現状では、これらのコーヒーの多くはコマーシャルコーヒー(CO:コモディティコーヒー、メインストリームコーヒーなど)
の範疇に入るでしょう。ブルーマウンテンなどは、鮮度状態のブレが顕著でしたので使用を見合わせました。
もちろん中には、PNGのシグリ農園(現在は当時に比べれば品質低下しています)やハワイコナのティピカ種や、その年のみよい優れた豆もありましたがごく例外的でした。

そのため、生豆を取り扱っている国内すべての生豆問屋に取引を広げ、日本で流通しているプレミアムコーヒーといわれる各生産国の豆をすべて使用しましたが、満足のいく答えが出ませんでした。

よい風味のコーヒーを作るために、「よい生豆とは何?」と原材料である生豆について強く考えるようになりました。しかし、日本の市場は、すでにディスカウント市場の傾向が強く、価格競争が顕著で、日本の商社が輸入する生豆の中から安定して風味のよいものを探すのは無理だろうとの結論に至り、どうすべきか試行錯誤が始まりました。

 

「プレミアムJ」という生豆情報サイトを作ったのは2000年頃で、全国の自家焙煎店及び開業予備軍の方が100名ほど参加してくれました。このサイトは、年会費1万円で生豆問屋のプレミアムコーヒーをすべて網羅した情報サイトです。
しかし、徐々にSCAAの展示会などを通し、海外からの生豆情報もはいるようになり、また運営も大変でしたので、1年で役割を終えました。希望者には会費を返金した記憶があります。

「コーヒーのテースティング」(柴田書店2000、絶版)を書いたのもこの時期です。
興味のある方はアマゾンに中古品がありますのでのぞいてください。

 

1990年代から現在まで、輸入商社、国内商社が差別化のために作ったブランドなどが多くあります。ここでは便宜的にプレミアムコーヒーとし、ごく一部をリストアップしました。
比較のため、現在堀口珈琲が使用しているスペシャルティコーヒーを右に上げました。

生産地 汎用品 プレミアムコーヒー(PC) スペシャルティコーヒー(SP)
ブラジル No2 ブルボン、樹上完熟、No2・S18 マカウバ・デ・シーマ農園他
コロンビア スプレモ エメラルドマウンテン、エスメラルダ ウイラ、ナリーニョの小農家 他
グァテマラ SHB アンティグア サンタカタリーナ農園 他
コスタリカ SHG コーラルマウンテン 多くのマイクロミル
タンザニア AA アデラ、スノートップ ブラックバーン農園
エチオピア ハラー ハイランドハラー イルガチェフェG1 他
イエメン マタリ アールマッカ バニ・マタリ、イスマイリ他
スマトラ G-1 ウルトラ、スーパー LCFマンデリン 他

1990年代には、風味の評価基準はなく、生豆の品質は、各商社やロースターの主観的判断にゆだねられていました。
2000年代中盤以降SCA方式により、ある程度客観的な基準が浸透し始めます。
現状のSCA基準で見れば、汎用品の中には80点を超えるものはほぼ見られず、
PCの流通豆も、80点を超えるものは少ないといえるでしょう。
表のSPは、SCA方式で80点以上のもので、85点を超えます

 

次回以降は
賞味期限2 初めに2(スペシャルティコーヒーの黎明期)
賞味期限3 New cropとPast crop 経時変化と理化学的数値の変化
賞味期限4 Hard bean(硬質)とSoft bean(軟質) 標高と脂質量の変化
賞味期限5 NaturalとWashed 経時変化と酸価数値

その他 を予定しますが、内容は変わるかもしれません。