パパ日記

卒論とSPとCOの違い

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3・26のテイスティングセミナー中級編に2名の空きがあります。

大学生の実験も終わり、今期はTBRAS(過酸化物価)とアミノ酸の分析を加えました。
このような地味な研究は多くの試料と何年もの継続が必要と感じます。
昨日から、4年生の卒論を読んでいますが、文章、結果の分析などの修正が多くかなり大変です。

また、分析結果をどのようにとらえるか、さらにはそこから何が予測できるのか?
どのようなことがいえるのか?についての考察はなかなか難しいところです。

結局のところ数字を統計解析し、どう読み取るかは、コーヒーの知識や経験が重要になります。

 

SPの概念は広がりつつあり、現在のSCAの評価基準が運用され、その歴史は約20年近くになります。

SPの市場が拡大し高品質のコーヒーが多く流通するようになりました。
SCAJの市場調査では12%ですが、SPの基準をどう見るかにより%は変動すると考えます。

 

現在輸入生豆の多くを占めるコマーシャルコーヒー(以下CO/コモディティコーヒーとも呼ばれる汎用品)の品質は低下傾向で、
日本市場はディスカウントの傾向も顕著になり、日本のコーヒー業界におけるコーヒーの風味のアベレージは低下しているように感じます。

 

これら、低価格の生豆使用の増加は、コーヒー生産者の生産阻害要件となり、コーヒー産業のサスティナビリティに悪影響をもたらす可能性を内包しています。現在のように先物価格が上昇している場合は、生産者に恩恵がありますが、消費国市場での価格高騰をもたらし、より低価格品を求めるディスカウント市場を形成し、さらに品質の悪いコーヒーが生産され、使用される状況を生み出しかねません。

 

現状は、SPそのものの品質・風味の2極化、3極化がもたらされいますが、COの中でも品質差が拡大し、日本で使用されるコーヒーの品質・風味、価格差が拡大しています。

 

SPとCOという観点からコーヒーを見ていくと、コーヒー生産、コーヒー市場のサスティナビリティを考えるきっかけになると思います。

 

以下は、SPとCO 3種の品質差を総酸量+総脂質量の数値およびSCA官能評価の相関を見たものです。
酸と脂質量の多い方が官能的に高い評価につながっていることがわかります。

このような、多様なコーヒーが流通している中は、
「何がよいコーヒーなのか?おいしいコーヒーとは何か?」
について正しく判断できるテイスティングスキルが重要になっています。