パパ日記

コーヒーの味覚開発セミナー 五味及びアミノ酸と有機酸テスト

8月から、新たに味覚開発セミナーの一環として以下の感応テストを考えています。

五味の味覚テスト
酸味、苦味、塩味、旨味、甘味の閾値より多々濃度の濃い溶液を作ります。
酸味は多くの場合酒石酸で行いますが、コーヒーですのでクエン酸で作ります。
旨味はグルタミン酸、甘味はショ糖、塩味は塩化ナトリウム、苦味はキニーネかアミノ酸のリジンで溶液を作ります。

有機酸のテスト
アラビカ種の基本となり最も重要なクエン酸、強い酸を感じる酢酸、リンゴ酸、乳酸の閾値からやや感知しやすい濃度で溶液を作ります。最近は、この4つの酸の違いを確認すること、さらにその組成により酸味がどのようになるかについて官能的にわかればよいと考えますが、簡単ではありません。
しかし、優れたアラビカ種はクエン酸が酢酸より多いこと、カチモール種系には酢酸などが多いことなどにより酸に質を理解できるようになりつつあります。
リンゴ酸や乳酸については微量ですが、感知できる豆もありますので、LS/MS(高速クロマトグラフィー質量分析機)の分析結果との相関性を見ていく作業をしていくことになります。

 

アミノ酸のテスト
生豆に含まれるアミノ酸は焙煎により、98.5%程度減少し、その組成も変わります。
生豆に多いグルタミン酸は減少し、焙煎後はアスパラギン酸の組成比率が増します。
コーヒーの官能評価表にこの項目がなくで意識してきませんでしたが、食品特に嗜好品においては重要ですので
旨味(+酸味)のグルタミン酸、アスパラギン酸、甘味のアラニン、グリシンの溶液を作ります。
これらは、有機酸ショ糖と複雑に絡み合いコーヒーの基本の味を構成します。

これらの最終的な研究目的は、官能評価表に旨味(Umami)を追加しすることです。
とりあえず今年は、LS/MCで特徴的な風味のコーヒーを分析して、分析結果と官能評価との相関を見ながら、可能であれば旨味の官能評価基準を作成したいと考えています。