パパ日記

コロンビアの憂鬱

3月のテースティング会のテーマはコロンビアのナリーニョでした。
コロンビアは、世界第2位の生産国でしたがベトナムにその座を明け渡し、ここ20年間はフェノール問題、品種改良、さび病とな品質的にも悩み多き生産国でした。
「アンデスの土壌は世界最高峰の香味を生み出すはず」というのが私の基本的認識でしたが、その期待は長い間裏切られてきました。
「振られた女ほど恋しい」とでもいうのでか?あきらめきれずその幻の香味を追い求めてきました。

 

 

コロンビアのティピカ種は存亡の危機にありましたので、優れたティピカ種から開拓し、オズワルド、タママウンテンといい豆を獲得してきましたが、最終的に求めるコロンビアの香味には今一つ別のものがあり、それが南部のコーヒーでした。
しかし、長い間のゲリラとの紛争などで産地に入れない状態も続き、優れたコーヒーには巡り会えずにきました。
多くは混ぜられ、トレサビリティは曖昧なコーヒーばかりで、その本質的な香味はまだ世界中のコーヒー関係者も体験できていないものだったといっても過言ではないでしょう。
ここ数年徐々にではありますが、その扉開きだしたのを感じていました。

 

 
優れた産地であるナリーニョはスターバックスが使用し、日本にはいいものが入荷せず、これまでウイラやカウカのコーヒーを試していましたが今一つ満足できずにいました。
しかし、ごく最近には産地にも入れるようになり、またスターバックスの力も弱まり、輸出会社もすぐれたナリーニョを開拓し初めるという環境が整い、堀口珈琲はナリーニョの最高峰のものを求める努力を重ねてきました。

 

 

日本には、これまで少量ナリーニョは入荷していますが、それを本質的な香味と理解するには不足と感じていました。しかし、ここ数年のトライアルの結果、ナリーニョのテロワールを反映した香味を確認できるような優れた農園の豆を数種購入するに至りました。

 

 

ではナリーニョの本質的香味とは何でしょうか?
テースティング会では説明しましたが、それを理解するには世界中の膨大なコーヒーを体験しなければならないでしょう。しかし、香味のとらえ方を教われば数倍早く理解できます。
過去20年のコロンビアコーヒーの香味の体験の中から解説しましょう。
外出しますので明日になります。

 

 

今朝のコーヒー
コロンビア ナリーニョ ミディアム(サンプルロースト)
完熟したミカンの甘い酸と濃縮感がありベルベットのようななめらかな舌ざわり。
素晴らしいコーヒーだと思います。
ネットショップで見かけたら一度お試しください。

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ノリタケのビンテージ。ヤジロベー印。1920年から1940年くらいのもの。
やや厚手でしっかりした安定感があり、すばらしいカップ。
個人的コレクションのベスト10に入れたい。