パパ日記

キューバ

先日キューバのコーヒーを32種カッピングする機会がありました。
かなりの量でしたが、現状のキューバの香味の一端を知ることができました。
これらのロットは、明るい酸、華やかな酸などは少なく、ボディはソフトで弱めです。
深いローストには向かずハイローストの手前までが適性ローストでしょう。
昔はティピカ系がメインでしたが、これらのロットはティピカとカツーラが混在しているようで、、クリーンなティピカの香味はやや感じにくい印象でした。

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ジャマイカ、キューバのコーヒーの基本的香味は、酸が弱めで、現在の華やかな酸のある香味ではありません。しかし、逆にいえばいいカリブ海のティピカ系の香味は「ソフトさとバランスのよさ」「クリーンさ」「シルキーさ」であり、そのような香味もコーヒーの多様性の一面とみるべきでしょう。

 

 

私が開業した当時は、某商社のブランド品である樽入りの「キューバ・クリスタルマウンテン」を使用しました。当時はドミニカのバラオナ地域などもティピカでしたが今はハリケーン被害で収穫はなさそうです。カリブ海に面した北部コロンビアでもティピカは栽培されていて使用しましたが、このあたりのティピカはみな同じような香味です。

 

このカリブ海地域のティピカの香味に大きな違いが生じるのは、生豆の鮮度状態によります。
新鮮なものは青い草のような香味がかすかにあります。
しかし、柔らかな豆質の為、鮮度は落ちやすく枯れた藁のような香味も出やすいため、この地域のコーヒーの香味はわかりにくくなります。

昔、ジャマイカで70kの樽に入っているブルーグリーンのティピカを見ましたが、今日本入着時にそのような生豆を見るのは難しい状態です。
輸送途上のダメージや保管上のダメージなどで香味が落ちやすい豆といえますので
一番いい状態の香味を確認する必要があります。
最近はエアーのサンプルでもいいものに巡り会うことはなかなかなく、今となっては、堀口珈琲の東チモールのティピカを体験していただいた方がいいかもしれません。

 

今朝のコーヒー
papaブレンド  シティ
昨日狛江店で入れてもらいました。
スイートでバランスよくまとまった香味になっていました。
今朝は世田谷店で入れてもらいました。
甘いプラムやラズベリージャム、ライチ、蜂蜜などのニュアンスを感じることができました。
ちょっと意外でした。
抽出のたびに様々な香味の表情をみせると思います。
父の日にぜひどうぞ。