パパ日記

緩やかに持続

「下山の思想」(五木寛之)は、山を登れば下る。
ギリシャやローマやスペインも衰退していった。すべてが成長を謳歌できるわけではなく、日本も成長から成熟を経て、その弊害を認識し、少しづつ身の丈に合った生活に向かうべきという。
このような思考は、経済的に見れば、新興国と張り合って成長を目指すのではなく投資や内需の循環で適正規模を目指そうという方向となるのでしょう。
しかし、一方で金融緩和し、輸出や公共投資で経済成長を促しデフレを脱却しインフレ方向に誘導し経済停滞を解決しようと考える人も多くいます。現在の日本はこの2方向のはざまで揺れています。


「日本人の人生のエネルギーカーブが定年を境に下降する。

「定年は保障されるとは限らない社会で、50歳を超えて30年ある残りの人生をどうするか?」について新しい生き方の模索を説いたのが「坂の上の雲」ではなく「坂の上の坂」(藤原和博)。初めての民間からの中学校校長になった方の著作。人生のピークをどこに持っていくか?もしくはいくつもピークを作った方がいいのでは?という提案のようです。なんとなく当たり前のことがなんとなく書かれています。

 

しかし、江戸っ子は先のことはあまり考えません。
「隠居大学」は天野祐吉さんの対談集だけあって今一つ開き直った感があり、わが道を行っている人たちが登場します。「先のことなど考えていない、今はこうだ」と言わんばかりでかえって爽快です。

 

しかし、今は情報社会なので先が見えないことで不安が増幅します。
日本社会はやはりバブル時代の効率主義と物質主義が尾をひき、その崩壊後の不況とグローバリズムが格差やゆがみなどの構造変化を生み出していますので、日本は新たな試練のなかにあると感じます。

 

ひるがえり、会社も成長、飛躍、成熟、低迷、下降などのどこかに位置します。どのような状況下にあっても会社は成長しなければ維持できませんので、緩やかでも長く持続できることが重要です。
堀口珈琲は、他に影響されることなく、時代を切り開き、わが道を進みたいと思います。