パパ日記

イエメンの新しい香味とは

今朝のコーヒー
イエメン バニマタリ

バニマタリ地方のコーヒーで、日本で一般的に流通している産地の曖昧なモカマタリとは全く異なるもので、イエメンの高品質コーヒーです。
イエメンは、今はなきモカ港から世界中にコーヒーを伝播させた歴史あるコーヒー産地です。
極めて重要な産地ですが、いいものが入手できずまた価格も高く、最近のコーヒー業界は次第にこの産地に目を向けなくなりました。
現在流通している大部分のイエメンは、収穫時も不明確で鮮度、品質ともに良くなく、発酵のような臭い、くすんだもの香味のものですが、それが正しい香味と長い間認識されてきています。

 

 

このようなコーヒーしか体験していない世代には関心の乏しい産地といえ、スペシャルティコーヒーのマーケットからも疎外されたような感もあります。
しかし、コーヒー業界のなかには、私のようにこの地へのあこがれや関心度が高い者がいて、また特異なトレーダーやエクスポータもいて、次第に結びついていくのでしょう。

 

 

堀口珈琲も生豆の購買実力が付き、長い間失望してきたイエメンコーヒーに対し、数年前から開拓を初めています。このレベルの高品質イエメンコーヒーの日本流通は極めて少なく堀口珈琲の購入量が最も多いかもしれません。しかし、地図がないような難しい産地であり、まだまだ満足している訳ではありません。この後、この地のコーヒーに世界中のコーヒー関係者が目を向け直すでしょう。

 

 

今年のバニマタリはボディがあり、フレッシュで舌触りがなめらかでチョコレートのようです。
赤ワインよりコニャックというような印象です。
スパイス感もあります。
かすかにフランボアーズ(ジャム)などの赤い果実の香味もあります。
また砂糖が入っているのではないかと思えるほど甘い余韻が残ります。
但し 炒りたてなのでしょうか?
ロースト臭がかすかに残りますので3日前後常温で置いた方がより個性が出ると感じます。

 

エチオピアナチュラルとはまた違った香味のです。
世田谷店で淹れてもらい、珍しく2杯も飲んでしまいました。
2杯目をリクエストすることはめったになく、久しぶりにいいイエメンを体験しハッピーです。
コーヒーの香味の世界が多様であることを知らしめてくれます。

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カップはしばらく作家シリーズとなります。
西村百合さん。
スペインのバレンシアの学校で勉強した方。
スペインの土にこだわったり、大胆で独特な作風ですね。
何度か堀口珈琲でも展販売示してもらいました。
当方も花器等数点購入しています。