パパ日記

カカオ豆-3

チョコレートは、基本的には装置産業で世界的に見ても 寡占化されています。
そのためチョコレートを作るためのそれぞれの工程用の小型の専用機械は存在しません。

 

 

ですから自分でカカオ豆からチョコレートを作るのは以外にハードルが高いといえます。
チョコレートをカカオから作ってみたいと考える人は増加しつつありますが、コーヒーのようにカカオ豆を焙煎すればいいというわけではありません。
現状では小規模自家焙煎用の仕組みはまだ未完成です。
それでもやりたいという人は、様々な工夫をしています。

 

 

 

しかし、中途半端に作った物であれば、市販のカカオマスやクーベルチュールの高品質のもののほうが優れていますし、多くの種類も販売もされています。

 

 

そもそも、スペシャルティコーヒーのような生豆に匹敵するカカオ豆を入手すること自体が難しいのも現実です。又その高品質カカオ豆が何たるかを理解できる人も極めて少なく、それを理解するには多くの体験が必要なのは言うまでもありません。
自家焙煎の長い歴史のあるコーヒーでさえ、多くの関係者がいまだ生豆の香味の本質を理解できないでいるのに、カカオはさらに難しいでしょう。

 

 

 

私は、10年前からカカオの自家焙煎は増える可能性があると言ってきましたが、そのハードルは高いと感じます。それでもビーントゥーバー(カカオ豆からチョコレートまでを作る)に目が行くのは、大量生産のものとは違う新鮮なカカオの風味が楽しめるからだと思います。 

 

 

 

メキシコなどの生産地では、カカオをドリンクとして飲んでいます。
多くの一般家庭でも、カカオをグラインドして砂糖を混ぜた新鮮なカカオを量り売りで購入しています。(これは煉る前ですのでまだチョコレートにはなっていません)
反対に、消費国のパリなどではショコラショーといってチョコレートを溶かし、ミルクと混ぜて飲む習慣もありますが、生産地ではチョコレートではなくカカオを溶かして飲みます。

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左はカカオ豆を焙煎し、粗く砕き皮を飛ばしたもので、右はそれをグラインドしたもの。
油脂が50%程度含まれるのでドロドロした状態で、ここまではカカオの状態でさらにチョコレートにするには煉ります。

 

 

この二つの香味は全く異なります。
カカオドリンクには果実の風味が強く残り、ブルーベリーやラズベルーなどの果実の味が強くします。エチオピアのイルガチェフェ、ケニアなどの最高峰の香味に匹敵する素晴らしい酸や果実感があります。対してチョコレートドリンクは、甘く濃厚で深みのある味です。

 

 

 

したがって、生産国と消費国は同じカカオという原材料を使用しながらその使用方法や文化は異なるといえます。もちろん生産国でもチョコレートを作っていますが先進消費国のチョコレートとは品質差があります。
続く

 

 

 

今朝のコーヒー
他店のシティ フレンチのブレンド

第一印象はフレグランス(粉の香り)が高く、高品質の豆であることがわかります。
焙煎釜は直火か半熱風か?はわかり判別化困難。
抽出は各30gを2分で260g抽出。

シティはやや軽めのシティでマイルド、フレンチは乾燥プルーンなど黒い果実系の香味が出ています。
ローストの観点からは、排気が強くすっきりした味です。
堀口珈琲のローストは、香味がより濃厚ですので、厳密にはどちらがいいとも言い難く好みは分かれるかもしれません。

 

優れた品質の生豆は、多様な香味が内包されていますので、ローストの方法で香味はかなり変わります。また焙煎機の特性も影響しますので、ローストにはより高度なスキルの領域というものがあります。
しかし、香味を最終的に特徴つけるものは生豆ですので、ここが一番重要なのは言うまでもありません。