パパ日記

第3の場所-1

2月7日に続く

おいしいコーヒーを提供する以上に安らぎの場所(第三の場所=third place、自宅が第一、職場が第二)とスターバックスのハワード・シュルツもいいましたが、もともとイギリスのパブやパリのカフェ、日本の居酒屋、そして日本の伝統的な喫茶もカフェも不特定の人々が交流する第三の空間でした。
居心地のよい空間、人が集まりやすい場所などが前提となるでしょう。
更にいえば、コミュニティ、情報交換、勉強の場などのすべてが第三の場所ということにもなります。

 

 

 

コーヒーショップチェーンは、1980にドトールの原宿店がスタートし、1996にスターバックスが銀座に出店し、都市部での利便性も相まって拡大してきました。
しかし、多くのチェーン店ができ、そのメニュー、価格などの差別化で多様化し、ファーストフード、さらにはコンビニコーヒーとの競合など大きな転換期にあるとも感じます。

 

 

最近はチェーン店でない昔ながらの昭和っぽい居酒屋もブームのようです。
よく吉田類さんの酒場放浪記(BS)を見ますが、個人的には酒のみではないのであまり行きたいとは思わない場所ですが。
このような流れと同じように成長してきたのがコメダ珈琲で、外資ファンドが買収し名古屋から全国に拡大し600店を超えてしまいました。

 

 

昔ながらの喫茶店のモーニングと食事をも網羅した小型ファミレスのような空間で、新聞雑誌があり長時間いても平気で、おしゃれでもないため普段着でも気楽に行ける場所で、又一人でもファミリーでもいける使い勝手がよい第三の場所としてのニーズに合う人も多いのでしょう。
名古屋で何度か入りました。

 

 

 

すかいらーくがガストの一部を郊外型珈琲店に切り替えるようです。
フルサービスでリラックスした空間を作り、ドリップで抽出し、従来のドリンクバーとの差別化を図り、メニューはサンドイッチ、パンケーキ、パスタも作ります。
これは、昔の喫茶店のようなもので、この業態はコメダ珈琲を契機に全国的に拡大しています。

 

 

ドトール・日レスも、都市部のドトールの出店を抑え、郊外に星野珈琲を拡大しすでに130店を超えてきています。最近は都心部でも、比較的家賃の安い2階に出店しています。
広いテーブルもあり、メニューも豊富です。

 

 

もともと第三というよりは第二の場所としても使用されていたルノワールは、郊外型のミヤマ珈琲を出店し、やはり昔の喫茶店や空間を重視しています。

 

 

ファミレスはデフレの中で価格を下げるなど業態モデルのマンネリ化の中で試行錯誤してきました。
一部ファミレスは、食材を見直し、従来よりターゲット年齢を高め、味と価格をあげる方向に転換しつつあります。馬事公苑のロイヤルホストで黒×黒ハンバーグをセットで食べると1800円くらい?にはなりますし、ステーキはさらに高いです。
しかし、ここ数年は郊外型珈琲店(コーヒー店ではなくみな珈琲店です)が、従来のファミレスマーケットと競合し、その隙間を埋めている感じます。

 

 

コンビニコーヒー50.000店の増加、ファーストフードのコーヒーの見直し、ファミリーレストランのコーヒーへの回帰など、個人店を取り巻く環境は厳しくなりつつあります。
喫茶店は1986年以降著しい減少傾向にあり、2012年には7万店、2015年には5万店を割り込みそうです。とりわけ個人店(多くの場合1~4人程度の経営)の経営は厳しいといえます。

1981年154.630店ドトールが1980年に開店
 1986年151.054店喫茶店のピーク
 1991年126.260店堀口珈琲が1990年開店
 1996年 94.251店スタバが松屋裏に出店
 2001 年88.933店カフェブーム
 2006年 81.062店
 2012 年70.454店

喫茶店の衰退理由は様々です。
それらを踏まえて開業にはどうすればいいのかのヒント?については、当方の朝日カルチャー「小さな喫茶・カフェの作り方セミナー」にお越しください。

 

 

もともと本来の喫茶店は、コーヒーや軽食程度の業態です。
保険所の営業許可には喫茶と飲食があり、喫茶は食事などの提供に制約がありますが、飲食になると制約はなくなりますので、今では多くの場合飲食で営業許可をとります。

 

 

昔の喫茶店は、黙っていても顧客が来た時代から、飲食マーケット構造の変化の中でコーヒーと軽食で採算が合わない時代を迎え、米を炊いたり、スパゲティを出し対応しましたが多くの場合素人料理で、ファミレス、ファーストフード、専門店の台頭の前には無力で衰退していきます。

 

 

そして、皮肉なことに30~40年の時を経て、今度はファミレスが確保してきた領域に郊外型喫茶店が新たに割り込んできている訳です。
しかし、これらの店の出店には高額の投資が必要で、個人レベルで参入できるわけではありません。

喫茶の衰退を目撃した人たちは、2000年以降新たに新業態であるカフェに参入してきます。カフェは従来のカフェが主力としてきたソフトドリンクではなく、食事にも力を入れた業態となります。

 

 

一気に書いたので脈絡ないですがご容赦
続く